2021 Fiscal Year Annual Research Report
The development of digitally manufactured, individually optimised prosthetic legs for top athletes and the diffusion model for this innovative approach
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21H03760
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山中 俊治 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60528917)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 陸上競技用義足 / 個人最適化 / Additive manufacturing / 設計自動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、AM製陸上競技用義足の競技会への実戦投入と、より多くの人に義足を提供できるようにするための設計・製作手法の一般化を目指す。そのために、競技レベルが異なるアスリートたちへの義足の提供と長期の使用を通して、競技用義足ソケットに求められる即応性、個人最適化の要件を明らかにし、それらに対応可能な設計手法と設計製作支援システムを構築する。本年度は主に、即応性のあるデザイン手法について以下項目を検討した。
(1)陸上競技用義足の製作とアライメントに関するニーズの把握と調整機構の検討と試作:アライメント(義足ソケットと板ばねの取り付け角度)を簡易的に調整可能なスペーサーと、取り付け長を調整できるように加工した板ばねを用意・制作した。既にアライメントが決まっているトップアスリートの場合は、参考とした従来工法の義足のアライメントを元にAM製の義足を製作することで、アライメントの微調整は不要であった。アライメントが決まっていない競技歴の短いアスリートにおいては、試走段階で頻繁に調整する必要があることを確認した。
(2)ソケットのフィット感の変化への対応:切断してから日の浅い義足使用者や競技歴の短いアスリートにおいては、断端が細くなる傾向があり、AM製ソケットの使用後半年程度でソケットの不適合が確認された。簡易的には、従来工法での調整と同様にソケット内面にパッド等を貼り付けることで対応し、大きく内面を修正する場合は、ソケット設計CADのFit-Designerを用いて陽性モデル(ソケット内面形状)を修正し、競技用ソケットの内面データと置き換えることで、比較的容易に対応できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症による影響により、協力アスリートとの調整が難航し、走行評価などの実施が遅れたが、比較的競技歴の短いアスリートの協力を新たに得られたことで、AM製義足の即応性に関する要件と設計製作支援システムを構築する上での、アライメントやフィット感についての知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ソケット設計の自動化をおこなう上で、試走段階でのアライメント調整とソケット内面調整の必要性を確認できた。これらの結果を元に、ソケット設計の自動化を段階的に進める。また、ソケットの重さや重心と走りやすさについても関係があると考えられるため、義足走行における定量的な動作分析手法を確立し、ソケットの違いによる、ユーザの感性的な走りやすさの違いと走行パフォーマンスとの関係を明らかにする。
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