2022 Fiscal Year Annual Research Report
The development of digitally manufactured, individually optimised prosthetic legs for top athletes and the diffusion model for this innovative approach
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21H03760
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山中 俊治 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60528917)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 陸上競技用義足 / 個人最適化 / Additive manufacturing / 設計自動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に、個人最適化手法の一般化における計測手法の検討と設計自動化について研究を進めた。
(1)定量的な計測手法の検討:おもりの調整により、重量調節が可能な評価用義足を利用し、走行データの計測によって義足重量が走動作に影響を与えるか検証した。一部の走動作指標が重量と有意な相関があることから、義足重量は走動作に影響を与える可能性が高い結果が得られた。また、ユーザ主観に基づく重量評価結果と走動作指標の比較によって、ユーザが走りやすいと感じる重量においてピークを生じる指標が確認され、走りやすさに影響を与える走動作が義足重量に起因する可能性を示した。加えて、ピークを生じる指標から推測される走動作に関して映像と比較した結果、走行フォームが一致し、各ユーザの走行感を向上させる走動作を一部特定できた。
(2)義足ソケットの設計自動化:デザイナーの義足設計プロセスを分析することで、義足のモデリング工程を整理するとともに、美観に関わる要素を抽出し、義足ソケットの設計における時間的コストの削減と、美観を考慮したパラメトリックデザインが可能であるモデリング支援ツールを設計・開発した。ユーザテストでは、従来のCADを利用した設計と比較して、より短い時間で多くのソケットを作成できた。また、スタイリング調整をパラメトリックに行えること、作成した成果物の美観が整っていることが確かめられた。さらに、支援ツールを利用した、陸上競技用義足Rami Seの制作をおこなった。質量を考慮したソケット外面形状を生成することで、ソケットを目標質量に近づけるための設計が容易になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
義足ソケットの設計自動化において、ソケットと板ばねとの接合部分などの自動化は未実装であり、部分的な自動化に留まっているが、概ね進捗は計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
義足ソケットの設計自動化において、今後、質量・厚さといった機能的制約に関わる調整を自動化することで、さらなる時間的コストの削減が可能であると考えられる。また、部分的な設計自動化に留まっていたが、システムの統合により、パラメトリックな調整でソケット全体が生成されるようなシステムの開発が見込まれる。
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