2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H03788
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山本 慎也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90371088)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳温度 / 神経科学 / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、脳温度が体性感覚処理に与える影響を検討するため、体性感覚誘発電位(Somatosensory evoked potential)の各ピークの温度依存性およびアンタゴニストの影響を、詳細に検討した。前肢に与えた電気刺激に対して生じた最初のpositive peak (P1)とそれに続くnegative peak (N1)の大きさは、ともに、温度に対して逆U字型の関係性を示した。GABA(A)受容体アンタゴニストのgabazineを投与した条件では、P1およびN1の大きさは共に増加したが、高温ほど大きく増加し、27.5℃以上の温度は範囲でほぼ一定の大きさとなり、負の相関関係は消失した。AMPA受容体アンタゴニストのNBQXを投与した条件では、P1とN1の大きさは共に減少したが、P1は低温ほど大きく減少し、N1は温度に依らずほぼ一定の減少を示した。NMDA受容体アンタゴニストの(R)-CPPを投与した条件では、P1はむしろ増加し、低温ほど大きく増加した。一方、N1は減少し、高温ほど大きく減少した。なお、グルタミン酸受容体アンタゴニストの投与により、P1およびN1の大きさはともに、27.5℃以上の温度は範囲で温度に対して負の相関が維持された。P1はthalamocorticalの入力を反映していると考えられるが、P1におけるGABA(A)受容体アンタゴニストおよびAMPA受容体アンタゴニストの影響は、大脳皮質深層への入力が貢献していると考えて矛盾しない。一方、P1におけるNMDA受容体アンタゴニストの影響は、大脳皮質浅層におけるNMDA受容体への入力によるものと考えられる。また、N1は大脳皮質浅層への入力を反映していると考えられるが、このことは3種類のアンタゴニスト投与の結果と矛盾しない。また、各入力の体性感覚誘発電位への貢献度は脳温度によって異なることが示された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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