2021 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム編集ツール臓器内直接送達システムによる生体内ダイレクトゲノム編集技術の開発
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21H03797
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小暮 健太朗 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (70262540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 典昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (40209820)
野村 渉 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (80463909)
福田 達也 和歌山県立医科大学, 薬学部, 講師 (90805160)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イオントフォレシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ゲノム編集ツールCRISPR-Cas9複合体(リボヌクレオプロテインRNP)を標的臓器細胞内へ直接送達可能な新規物理的送達システムの開発により、安全で効率的な生体内ダイレクトゲノム編集技術の確立を目的とする。研究代表者は、皮膚表面から微弱電流による皮内薬物送達技術(イオントフォレシスItP)により、皮膚のみならず肝臓表面からの直接的なsiRNA送達による遺伝子発現抑制に成功したことで、ItPによるin vivoダイレクトゲノム編集を発想した。だが巨大なRNPのItPには、臓器・細胞内送達の技術革新が必須なため、本研究ではRNPの臓器内浸透、細胞内取込とエンドソーム脱出の達成により、in vivoダイレクトゲノム編集技術を確立し、疾患モデルでの治療効果の検証から本システムの完成を目指す。 本年度は、①RNPの微弱電流による細胞内送達とゲノム編集の検証(in vitro)、②ItPにおける安全性の検証(in vivo)、③腹腔内視鏡型ItPデバイスの構築と肝臓表面ItPによる組織内送達の検証(in vivo)、を実施した。①については、培養細胞にRNP存在下で微弱電流処理を行った後、T7E1アッセイを行ったところ、市販試薬の場合よりも薄いが、低分子領域にバンドが確認され、さらにエンドソーム破壊薬のクロロキン共存下では市販試薬と同じ程度の低分子バンドが確認できた。②については、肝臓表面ItP後の血中ALT/ASTを定量評価することで、ItPによる肝臓ダメージが無いことを確認した。③については、プラスチックセルスクレイパーにヒト心電図電極とファイバースコープを固定化したItPデバイスを試作し、動物腹部皮膚に小さい穴を開けて挿入した後、siRNAを用いて肝臓表面でItPを実施した。その結果、効率は高くはなかったが標的遺伝子のmRNA量を低下させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた3つの研究を実施し、培養細胞にRNP存在下で微弱電流処理を行いT7E1アッセイにより低分子領域にバンドを確認し、ItPによる肝臓ダメージが無いことを確認するとともに、試作したItPデバイスを動物腹部皮膚に小さい穴を開けて挿入しsiRNAを肝臓表面でItPした結果、標的遺伝子のmRNA量を低下させることができた。上記のような結果が得られたが、効率など改善すべき点はあることから、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降に、治療標的ガイドRNA含有RNPの肝臓イオントフォレシスによるゲノム編集を計画しているため、初年度の知見に基づき、検討を行う。また、初年度行った検討についても、効率など改善の余地があるものについては、引き続き検討を行う。
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Research Products
(2 results)