2021 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of tumor microenvironment and in-situ metabolic analysis
Project/Area Number |
21H03803
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
梨本 裕司 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (80757617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
珠玖 仁 東北大学, 工学研究科, 教授 (10361164)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 走査型電気化学顕微鏡 / マイクロ流体デバイス / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、がん微小環境を微小な流体デバイス内で再現し、さらにそのセンサを開発することで、がん代謝の機序に迫る新たなin vitroツールを開発することである。がんはその生存戦略のため、代謝を通常から大きく変質させていることが知られているが、がん微小環境がその代謝の変質にどのように影響を与えているかは十分にわかっていない。これは、再構成的にがん微小環境を制御し、その代謝における影響を問うことができる実験ツールがなかったことに一因がある。これまでに代表者らは、マイクロ流体デバイスを用いて、がんの微小環境を再現し、外部から摂動を付与可能なシステムを開発してきた(Y. Nashimoto et al., Biomaterials 2020)。そこで、これまでの知見に基づき、当該システムにセンサを組み込み、がんの代謝を評価するシステムの開発を検討した。R3年度までに、センサを挿入可能なマイクロ流体デバイスを新たに設計し、新たなデバイス内でがんスフェロイド、およびがんオルガノイドを血管網と統合できることを見出した。微小電極による代謝計測により、当該デバイス内でがんモデルの酸素代謝が評価できることを確認した。当該デバイスを用い、がん血管を利用して薬剤を投与することで、がんオルガノイドに摂動を付与可能であり、またその際の代謝変化をセンサで検出できることを示した。当該論文をバイオセンサのトップジャーナルである、Biosensors and Bioelectronicsに報告することができた(Y. Nashimoto et al., Biosensors and Bioelectronics, 219, 114808 (2023))。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通り、がんスフェロイドとがん微小血管を微小なマイクロ流体デバイス内で統合し、その計測システムを開発することができた。当該システムにセンサを挿入酸素代謝計測が可能であることを見出し、研究論文として報告することに成功した。さらに、当初の研究計画にはなかった、がんスフェロイドよりも、がん患者の性質を保持するとされる、がんオルガノイドとの統合にも成功した。上記のことから、本研究は、計画以上に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回のセンサを用いた酸素代謝計測により、がんオルガノイドの性質を区別することに挑戦していく。がんオルガノイドは増殖速度に基づき、Subpopulationに区分けすることができるが、Subpopulationをin vitroツールとして活用していくためには、より迅速、かつ、無侵襲にsubpopulationの識別をすることが必要となる。これまで検討してきた知見に基づき、がんオルガノイドのsubpopulationを迅速、無侵襲的な識別に挑戦する。またこれまで検討してきたがん種は、乳がん、大腸がんのみであったが、これをさらに多様ながん種に拡大していくことも検討する。具体的には口腔がんの細胞株、がんオルガノイドとの統合を検討していく。
|
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Electrochemical sensing of oxygen metabolism for a three-dimensional cultured model with biomimetic vascular flow2023
Author(s)
Yuji Nashimoto, Rei Mukomoto, Takuto Imaizumi, Takato Terai, Shotaro Shishido, Kosuke Ino, Ryuji Yokokawa, Takashi Miura, Kunishige Onuma, Masahiro Inoue, Hitoshi Shiku
-
Journal Title
Biosensors and Bioelectronics
Volume: 219
Pages: 114808
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
[Presentation] 生体模倣システムを用いたがん周 囲の血管網再構築と「その場」酸 素消費量計測2022
Author(s)
梨本裕司,向本励,今泉拓斗,寺井崇人,宍戸昌太郎,伊野浩介,横川隆司,三浦岳,小沼邦重,井上正宏,珠玖仁
Organizer
第18回 がんとハイポキシア研究会 in 桐生
-
-
-
-
-
-
-
-
-