2022 Fiscal Year Annual Research Report
神経操作と生体イメージングによる白血病-神経-循環連関の解明
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21H03810
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
淺田 騰 岡山大学, 大学病院, 研究准教授 (70803055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜山 武史 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (90360338)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経操作 / 急性白血病 / 生体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
白血病の病態には、血液細胞自体への遺伝学的異常に加え、骨髄内の非血液細胞により構成される微小環境である“白血病ニッチ”による腫瘍化の促進、腫瘍維持機構が重要であることがわかっている。本研究では、骨髄あるいは他の臓器で白血病細胞が神経や血管といった環境とどのように関わり合いながら増殖し進展していくかを画像解析によって目で見える形で明らかにし、さらに、遺伝学的神経操作の技術により、骨髄や他臓器に分布する末梢神経の活動を制御することで新たな白血病の治療方法とできるかを検討する。今年度は、MLL-AF9融合遺伝子をマウス骨髄細胞に遺伝子導入したマウス白血病細胞を、骨髄内の血管、血管周囲間質細胞を可視化できる遺伝子改変マウスに輸注し、ニッチ可視化白血病モデルマウスを作製し、骨髄イメージングによる骨髄微小環境細胞の解析を行なった。急性白血病マウスでの骨髄内では、骨髄ニッチ細胞が減少し、骨髄内神経線維が著明に障害を受けることが明らかとなった。また、骨髄上清中の神経メディエーター測定を進めている。さらに、急性白血病による骨髄内末梢神経活動の変化を捉えるため、マウスの大腿骨へ投射している感覚神経の神経細胞体が存在する後根神経節を単離し、遺伝子発現解析を行うことに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたMLL-AF9白血病細胞と白血病、ニッチ可視化白血病モデルマウスの作製が完了し、現在解析を遂行している。神経活動評価については、骨髄イメージングによる骨髄内末梢神経線維の評価を完了し、現在骨髄内神経メディエーター測定に着手している。さらに、後根神経節や交感神経節での神経活動評価にも取り組んでおり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
可視化白血病マウスの骨髄イメージング解析および骨髄内神経活動評価をさらに進める。神経操作については、薬剤全身投与による神経操作に加え、遺伝子改変マウスと逆行性AAVベクターを用いた骨髄への遺伝学的な局所神経操作を行う。局所神経操作における課題としては、神経操作の効率と効果持続時間であり、十分な予備的検討が必要であり、神経活動の専門家である分担研究者、檜山武史教授と連携して進めていく。
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Research Products
(3 results)