2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a vascularized organoids transplantation technology for next-generation regenrative medicine
Project/Area Number |
21H03814
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 雅哉 東北大学, 工学研究科, 教授 (10332735)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江草 宏 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30379078)
狩野 光伸 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (80447383)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | オルガノイド / 微小血管 / 血管連結 / 移植 / 再生医療が |
Outline of Annual Research Achievements |
オルガノイドは、臓器機能の一部をもつミニ器官であり、再生医療や創薬を変革する技術として学術的・社会的に注目されている。一方、オルガノイドを患者の治療に利用する次世代再生医療を実現するためには、オルガノイド移植に対する技術革新が必要不可欠である。本研究では、体内におけるオルガノイド内の微小血管循環と機能維持とを高める方法論(血管連結オルガノイド移植技術)を学術的「問い」と定め、次世代再生医療における学術的課題を解決することを目指す。 本研究目的を達成するために、研究期間を通じて、オルガノイドに対する微小血管導入技術、およびこの微小血管に対する体内微小血管連結技術を開発し、オルガノイド内の微小血管循環と機能維持とを評価する。具体的には、①サイズの小さいオルガノイドに対する微小血管導入技術、②可視化できない微小血管を連結するために、狙った位置に新しく血管を形成させることで位置を特定する細胞動員に基づく体内微小血管連結技術、③オルガノイド内の微小血管循環と機能維持との相関性の解明である。 本研究目的を達成するために、以下の3つの研究課題について、それぞれ検討を進める。 研究課題①オルガノイドに対する微小血管導入、研究課題②オルガノイドに対する体内微小血管連結、ならびに研究課題③血管連結オルガノイドの機能維持である。 2021年度は、刺激応答性ハイドロゲルとして、細胞傷害性の低い糖が結合することによって水可溶化される糖刺激応答性ハイドロゲルを調製し、それから分岐構造をもつ鋳型を作製した。また、鋳型に対して血管内皮細胞を播種し、コラーゲンゲル内で血管内皮細胞を管腔状に維持したまま鋳型を除去できることを確認した。また、オルガノイドの前段階として、細胞凝集体を利用して、その内部に低分子化合物をデリバリーするための分子デリバリーシステムについても検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オルガノイド内へ微小血管網を導入するために用いる予定の糖刺激応答性ハイドロゲルの作製とそれを分岐状に加工する技術を開発した。さらに、鋳型に血管内皮細胞を播種し、オルガノイドの前段階としてコラーゲンゲル内に包埋後、鋳型を除去したところ、コラーゲンゲル内に血管内皮細胞を管腔状に維持することができた。2022年度以降はこの技術をオルガノイドなどの細胞凝集体へ展開する。一方、オルガノイド内部へ物質をデリバリーする方法として、細胞膜透過性を有するスルホベタインポリマーを合成し、それに結合させたモデル化合物としての蛍光色素が2時間以内に細胞凝集体内部まで浸透することも確認できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
体内で微小血管を誘導する技術とオルガノイドなどの細胞凝集体内部に導入した微小血管との連結について検討を進める。さらに、血管連結により、ホストからオルガノイドなどの細胞凝集体内部へ血流が導入されるか検討を行っていく。
|