2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of oncolytic virus-mediated intratumorl infiltration of immune cells and development of further promotion methods
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21H03817
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
櫻井 文教 大阪大学, 大学院薬学研究科, 准教授 (70370939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 裕之 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (50311387)
立花 雅史 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特任准教授(常勤) (80513449)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腫瘍溶解性ウイルス / 細胞外小胞 / 細胞障害性T細胞 / 自然免疫 / 抗腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、レオウイルスによる癌細胞の自然免疫応答が、免疫細胞の腫瘍内浸潤に及ぼす影響を解明することを目的とする。さらに免疫細胞の腫瘍内浸潤を更に促進可能な新規ウイルス・併用療法を開発することを目指す。本年度は、腫瘍溶解性ウイルスであるレオウイルスをがん細胞に作用させ、その後の自然免疫応答を評価した。その結果、レオウイルスは免疫細胞のみならず、がん細胞においても高効率に自然免疫を活性化した。がん細胞種により自然免疫活性化レベルは大きく異なっており、これはレオウイルスの感染レベルに相関することが示唆された。またその自然免疫活性化は、RIG-I-IPS-1シグナルを介することが示された。そこで次にCRISPR/Cas9システムを用いて、IPS-1ノックアウト細胞の樹立を試みた。その結果、IPS-1ノックアウト細胞の樹立に成功した。 また、レオウイルス感染がん細胞より細胞外小胞(EV)を超遠心法により回収した。レオウイルス感染がん細胞由来EVには、ウイルスゲノムやウイルスタンパク質のみならず、感染力を有するウイルス粒子を含んでいることが示された。またその粒子径は約130nmであった。そこで、レオウイルス感染がん細胞由来EVを各種がん細胞に作用させたところ、従来のレオウイルスと同等以上の殺細胞効果が観察された。またマウス骨髄由来樹状細胞にレオウイルス感染がん細胞由来EVを作用させたところ、レオウイルスよりも高い自然免疫活性化が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスの交配が遅れているものの、その他の実験に関しては順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
作製されたIPS-1ノックアウト細胞をマウス皮下に移植し、レオウイルス投与後の自然免疫応答ならびに免疫細胞の腫瘍内浸潤を評価する。またIPS-1ノックアウトマウスが十分量得られたら、そのマウスを用いて同様の実験を行う。 レオウイルス感染がん細胞由来EVに関しては、レオウイルス感染がん細胞由来EV投与後の自然免疫応答や免疫細胞の腫瘍内浸潤を上記と同様に評価する。
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