2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of sonosensitizer delivery nanocomposites for minimally invasive cancer therapy
Project/Area Number |
21H03823
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
原田 敦史 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50302774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 雄己哉 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40649745)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超音波力学療法 / 酸化チタンナノ粒子 / ナノコンポジット |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、TiO2ナノ粒子修飾のためのリン酸基を有する生体適合性ポリマーの合成および得られたポリマーを用いTiO2ナノ粒子表面修飾を検討した。 4-シアノ-4-(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸 N-スクシンイミジルエステル とO-ホスホリルエタノールアミンを反応させた後、逆相カラムで精製することにより、リン酸基を有する新規RAFT剤を合成した。得られたRAFT剤を連鎖移動剤、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩を開始剤として、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)の重合を行った。モノマーであるMPCと連載移動剤の比を変化させることにより種々分子量の片末端にリン酸基を有するPMPCを得た。ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテルを加えたTiO2分散液と種々分子量のPMPC水溶液を混合することによりPMPCによるTiO2ナノ粒子の表面修飾を行った。限外ろ過により精製した後、TiO2分散液について動的光散乱測定を行った。TiO2分散液の平均粒径が約40nmであったのに対し、PMPC水溶液と大号した場合には、表面修飾に用いたPMPC分子量に依存した粒径の増大が確認され、分子量18000のPMPCを用いた場合には56nmの分散性の高いナノコンポジットの存在が確認された。また、分子量5400のPMPCを用い、混合するポリマー濃度の影響を検討した結果、ポリマー濃度に依存せず約50nmのナノコンポジットの生成が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リン酸基を有する連鎖移動剤の合成、片末端にリン酸基を有する生体適合性ポリマーの合成については計画通り進んだが、TiO2ナノ粒子の表面修飾条件の検討に時間を要した。ナノ粒子の分散性がよくない条件で表面修飾を行うと、得られるナノコンポジットの粒径にばらつきが大きく、再現性が乏しかった。そのためアニオン性、カチオン性、中性の界面活性剤を用いたTiO2ナノ粒子の分散安定性の向上を検討する必要が生じた。中性の界面活性剤(ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル)を用いることで問題が解決され、その後は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
界面活性剤(ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル)を用いることで再現性良く、目的としたナノコンポジットが得られることが確認されたことから、2022年度は培養細胞を用いた実験を行うとともに、計画より早めにミトコンドリア指向性をもつ第2世代のナノコンポジットの調製を検討することにより計画の遅れを取り戻したいと考えている。
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Research Products
(1 results)