2021 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of surface-functionalized particles and their interaction with immune cells
Project/Area Number |
21H03827
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
菊池 明彦 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 教授 (40266820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 允人 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (40277281)
小松 周平 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 助教 (60843844)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 微粒子形状 / 温度応答性 / 分解性 / マンノース / 貪食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、形状と表面物性を制御した微粒子を用い、これら微粒子を貪食する初期免疫を司る免疫細胞の機能と貪食との相関を明らかにすることを目的にしている。本年度は特に以下の2点について焦点を当てて研究を展開した。 1)分解性コアを有する微粒子の調製:主鎖に分解性ポリエステル、側鎖に親水性ポリエチレングリコールを有するグラフトポリマーをラジカル重合で合成した。この高分子と融点制御した分岐型ポリカプロラクトンを種々混合比のもとで混合した溶液から微粒子を調製し、一軸延伸することでロッド状微粒子を得た。得られた球状微粒子とロッド状微粒子をマクロファージ細胞と培養すると、ロッド状微粒子に比して球状微粒子がより細胞内に取り込まれることが明らかになった。ロッド状にすることで微粒子表面の親水性高分子鎖密度が多少変化していることが考えられるが、基本的に微粒子表面は親水性である。上記の結果は、マクロファージは微粒子表面が親水性であっても、形状をより強く識別し、球状微粒子を優先的に細胞内に取り込むことが明らかになった。 2)マンノース残基を有する温度応答性マクロモノマーの合成:マクロファージや樹状細胞など初期免疫を司る細胞はマンノース受容体を有する。そこで、マンノース残基を導入した温度応答性マクロモノマーの合成を行った。反応条件を制御することで、両末端官能性温度応答性高分子を合成し、成長末端側にマンノースを、開始末端側に重合性基をそれぞれ定量的に導入することに成功した。このマクロモノマーと疎水性モノマーとの共重合により温度応答性微粒子を調製できることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分解性コアを持つ微粒子の調製は比較的順調に研究が進み、形状を変化させた微粒子の調製と細胞との相互作用まで研究を行えたと考えられる。一方、マンノース残基を導入した温度応答性マクロモノマーの調製については、マンノースの導入が定量的に行えているか当初は解析が十分できていなかったが、13CNMRを用いることで、定量的な導入が明らかにでき、その後は両末端官能性マクロモノマーへの展開が加速できたことが、おおむね順調に研究が進められた結果と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)分解性コアを有する微粒子の細胞との相互作用に関しては、特に免疫細胞の活性と貪食との相関を、免疫を専門とする研究分担者とともに明確すべく研究を展開する。具体的には、機能的に2種に分類されるマクロファージのいずれの種が貪食やその活性変化にかかわるかを明らかにすることを次年度以降の目的に据える。2)マンノース残基を有する温度応答性マクロモノマーを用いて、球状、ロッド状と形状の異なる微粒子の調製を行い、これら微粒子と免疫細胞との相互作用を解析する。これにより微粒子の形状や表面物性(親水性/疎水性)と貪食との関係を明らかにするとともに、細胞が持つ受容体との特異的相互作用が貪食に与える影響を明らかにしていく。
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Research Products
(5 results)