2021 Fiscal Year Annual Research Report
多機能センシング技術により計測される頭蓋内皮質活動を用いた病態検出システムの開発
Project/Area Number |
21H03841
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 倫保 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (80196873)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 貞宏 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20343296)
山川 俊貴 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (60510419)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 脳波 / 脳温 / 脳血流 / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、頭蓋内より、脳圧、脳波、脳血液量、脳温、脳組織酸素分圧、体循環といった複数の信号を同時計測することで、脳血管自動調節能の破綻とそれが引き起こす脳障害を指標化し、重症脳卒中や頭部外傷急性期に対する予後予測への活用法を見出すことである。初年度は、動物実験を主体とした2つの研究と実施ずみの臨床データの解析を実施した。 1)ICG dilutionによる脳血流の評価:ICGの蛍光失活の特徴からマルチモーダルセンサ搭載のNIRS機能によるICGの蛍光受光の可否を検討した。しかし本実験で用いたICG濃度において,時間経過に伴う受光量の減少が見られなかったためPDでICGの蛍光受光を確認することはできなかった。外部より強力な高輝度LEDを使用することでICGの蛍光を受光することまではできた。 2)レーザードップラー計測モジュールの評価:光ファイバーを必要としないモジュール型のレーザードップラーセンサをマルチモーダルセンサに搭載することで、脳血流量の評価が可能かどうかを検討した。ファントム血管を用いて機能を評価したところ、濃度と散乱光のパワースペクトル積分強度の関係は参照用LDセンサや理論式と同等の特性を持ち,微小循環の組織血液量を求められることが確認できた。 3)マルチモーダルセンサによるてんかん発作の計測:難治性てんかん患者より取得済みのマルチモーダルセンサによる計測データを用いて発作時脳波の解析を実施した。センサはてんかん焦点より離れた位置に設置したが、脳波、脳温、NIRS信号のいずれにおいても転換発作波を正確に検出することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究を実施できる状況でなかったため、遅れが発生している。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度実施できるように体制整備に努める。山口大学のみでの実施では症例数の追加が難しい状況にあることも考慮して,他施設での実施についても検討を進める。すでにいくつかの施設において興味を持っていただいている状況である。
|
Research Products
(2 results)