2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of optical correlation endoscopy with 0.1 mm diameter, biological morphology, and diagnosis
Project/Area Number |
21H03842
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
若山 俊隆 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (90438862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 康弘 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40374152)
東口 武史 宇都宮大学, 工学部, 教授 (80336289)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シングルファイバーイメージング / 光相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, CMOSやCCDのような二次元検出器を用いずに直径 0.1 mm 以下の1本の光ファイバーを用いた内視鏡技術を構築し,生体深部の未到領域の撮影から病理診断に貢献することを目的としている. 申請者らはまず,光相関法による画像復元シミュレーションを行った.その結果,6000枚の異なる構造光があれば,相関係数0.9以上で元画像を1本の光ファイバーからの光強度信号で復元できることを明らかにした.この結果を元に,申請者らは今年度,安定な構造光を制御する技術の開発に取り組んだ.独自技術で構造光シフターを開発し,この安定性の調査を行ったところ,相関係数で0.95以上の安定性を得ることができた.これを用いて構造光を変化させた.それぞれの構造光がどれだけ異なるかを検証するために,6000枚の画像を取得してそれらの相互の構造光の相関係数を2Dマップにした.これをヒストグラムで表示することで,構造光はお互いに異なる構造を有していることが証明された. 次に光ファイバーの直径,開口数(NA)および,使用する波長によって構造光がどのように変化するかを調査した.これらの基礎的特性を十分検討した上で,サンプルの計測を行った.サンプルには1片1mmの正方形のサンプルを0.25mm毎に2mmの長さを1軸方向に移動させてシングルファイバーイメージングを行った.その結果,直線性良く,復元画像からサンプルの位置を分解することができた.初年度は,本研究の原理実証に多くの時間を費やしたが,たくさんの基礎的なデータを蓄積することができた.次年度はこれらを生かして,さらに高分解能な画像を取得できるように実験を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は構造光の安定性などがもっと簡単に得られると考えていたが,予想以上に構造光の安定性を得るのに時間を有した.さらに異なる構造光を作製したつもりであっても,構造光の中に相関性の高い構造光が存在していたりして,それらをどのように評価するかの検討にも時間を費やした.光ファイバーに関しては,その直径とNA,使用するレーザーによって相性が異なる.サンプルに関しても適する表面性状でなければ十分な反射光が得られず,画像復元が難しくなることもあった.このような基本的なデータを蓄積し,1つ1つ課題を処理していったことで初年度までにシングルファイバーイメージングを実現することができた. 高速化に関しては当初の予定より遅れているが,今年度の原理検証実験によってどのようにやれば良いかが明らかになった.あとは,使用しているレーザーとCMOSカメラや光検出器の同期次第であり,テクニカルな問題である.よって,高速化に注力するよりも,原理実証に力を注いでいくのが面白いと考えて実験を進めている. 三次元形状計測に関しては画像復元ができるようになったので,初年度までに予備実験はじめている.まだ,手探りの状況であるが,2022年度の実験方針を明らかにすることができた. 分光計測に関しては,多波長法での実験が進められており,多波長でのイメージングによって高速化とその波長に応じたスペクトル画像から成分分析などへの発展の可能性が示されている. このような理由から初年度の研究はおおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度までにシングルファイバーでの画像復元とその基礎データを積み上げることができたので,今年度は復元画像の分解能を上げることに加えて,シングルファイバーイメージングによる三次元形状計測と分光イメージングに注力していきたい.分解能を上げるためには構造光を1つ1つを小さくすれば良い.その一方で,構造光の枚数が必要になってしまう.この部分は多波長方を用いて,干渉計の多波長法を導入することで解決できないかと考えている. 三次元形状計測に関してはいくつかのやり方を考えているが,初年度に実施した焦点合致法から形状を捉えられないかと考えている.さらにシングルファイバーを複数個束ねることでステレオ視を実現して,複眼での三次元形状計測が可能になるのではないかと考えている.これらの実験を進めていく. 最後に分光イメージングは生体組織検査にとても重要となるので,2022年度は分光器を購入して,予備実験を進めていく予定である.具体的な内容としては広帯域で一致した構造光が得られるのか?もしくは広帯域で異なる構造光の場合,これらをどのように利用して各スペクトルで画像復元を実施できるのかを基礎的な実験から実証していく予定である. 初年度は研究成果として学会発表および論文にできていないので,2022年度は学会発表と論文発表をしていく予定である.
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Research Products
(1 results)