2021 Fiscal Year Annual Research Report
氷河期世代の女性非正規雇用労働者に対する学びの実態調査とリカレント教育について
Project/Area Number |
21H03892
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
小椋 幹子 京都女子大学, 連携推進課, 課長
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非正規雇用女性 / 学び |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究では、企業での教育訓練の機会がある人が自己啓発に取り組む割合が高く(荒尾2017)、自己啓発が就業確率を挙げるといわれているが(平野2007)、女性非正規労働者については、明らかにされていない。本研究では、非正規女性労働者(以後、「非正規」と表現)のスキルアップのための社内外における学びの活動と意向について実態を調査し、自己啓発と仕事の関連性、阻害要因等を明らかにし、女性の労働力の実質化に果たす大学のリカレント教育の役割について提案することを目指すものである。調査は、株式会社マクロミルのパネルを使用したwebアンケートを実施した。(n=560、アンケート実施期間 11月2日~4日)回答者の平均年齢は42.8歳、雇用形態別の内訳は、非正規47.7%(n=267)、女性正規労働者(以後、「正規」と表現)は52.3%(n=293)である。また、10名の氷河期世代の女性について、仕事に関する学習活動の状況と学習にあたっての課題(障壁など)についてインタビューを実施した。その結果、以下の点が示唆された。 1.[過去3年間のOJT,Off-JTを受ける機会、および現在のキャリアへの活用については、正規の方が多い。] 2.[こどもの有無、末子の年齢は学習活動の阻害要因ではないのでは。] 3.[学習活動は、キャリアアップ、現在の仕事への満足度、現在の仕事へのやりがいとやや強い相関関係がある。]ただし、現在の仕事へのやりがいについて、その平均においては、非正規のほうが高く、その差に有意性がみられた。 4.[大学に求めるリカレントは心理的安全性とネットワーク]インタビューを実施した10名のうち、半数が大学での学びの経験者だった。インタビューの結果、大学が求められる役割は大きく、学びの実質化において、今後、企業との強い連携が必要である。
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