2021 Fiscal Year Annual Research Report
応用行動分析に基づく知的障害特別支援学級向け国語指導法の開発に関する研究
Project/Area Number |
21H03994
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Research Institution | 町田市立本町田小学校 |
Principal Investigator |
河村 優詞 町田市立本町田小学校, 小学校教諭
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 行動分析学 / 特別支援学級 / 国語 |
Outline of Annual Research Achievements |
小学校の知的障害特別支援学級向けの国語指導法を開発する上で、土台となるデータを収集することを目的とした。以下のアセスメントツールを収集した。なお、下線部は奨励研究における助成を受けた。①標準化された知能検査および学力テスト類:日本版K-ABCⅡ、TK式学力検査、および検定教科書(3社)内の課題を収集した。②行動分析系パッケージ:VB-MAPP、ABLLS-R、ESDM、PEAK(PCA)を収集した。③視知覚発達検査:WAVES、Frostig視知覚発達検査法、ROCFTを収集した。④言語・文法に関する発達検査:J.COSS日本語理解テスト、LCスケール、LCSAを収集した。 結果、種々の検査の各指標について上昇が見られた。また、学力についても大幅な向上が見られ、数名の参加児において学年相応の定型発達児向け学力テストにおいて、7~9割程度を正答できるようになった。本研究期間の後半には参加児中数名は通常学級の授業への参加を開始し、良好な適応状態を得ることができた。K-ABCⅡの下位検査において大部分の評価点が最低点である「1」となり、個体内特性の把握が困難であった児童においても、PCAによって個体内差を示すことができた。また、K-ABCⅡ・PCAのデータを並列的に示すことができた。本研究ではわずかなケースを示したに過ぎないが、特別支援学級入級時に得られることが多い標準化検査と、担任が把握しやすい学力、行動分析学に基づくアセスメントの結果が今後蓄積すれば、指導開始時期の事前評価をより短縮することにつながりうるだろう。特に高学年の児童においてPCAの結果とK-ABCⅡの習得検査の傾向に差が生じているケースがあり、関係反応の転移の促進を土台とした補充的な教科指導法の開発が必要であろう。
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