2021 Fiscal Year Annual Research Report
LPWAによる特別支援学校生徒のAIスピーカー活用自立支援環境の改善
Project/Area Number |
21H03996
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
川見 昌春 松江工業高等専門学校, 実践教育支援センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特別支援 / AIスピーカー / LPWA |
Outline of Annual Research Achievements |
肢体不自由者が機器を操作する場合、個々の症状に特化した入力装置が必要だが、AIスピーカーを利用することで、音声だけで機器操作を実現できる可能性がある。これまでの研究でAIスピーカーと連動するIoT技術を活用した機器制御モジュールを検討し、肢体不自由者の自立支援に必要な機器として試作機の開発・検証を行ってきた。操作命令を対象機器へ伝達する手段は赤外線が主体であるが、通信環境によっては不安定や途絶による操作上不具合が発生する場合もあり、肢体不自由者本人の不安や焦燥感を生じさせるとともに、対応する介護者等の負担増が懸念される。これら通信環境を改善するため、LPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる無線通信規格に注目した。 本研究ではこれまでの研究で構築した環境を基盤とし、LPWA通信モジュールを搭載した回路とソフトウェアの試作・検証を行った。LPWA通信モジュールはメーカー毎に規格の異なる製品があり、このうち2.4GHzおよび920MHzの周波数帯のモジュールを選定し、HAT基板上に搭載した。HAT基板はデータ・電源等のピンを同じ配置としており、異なるモジュールでも容易に交換可能とした。またAIスピーカー回路基板および機器制御回路基板は、HAT基板を積み重ねて拡張できるように再設計・試作した。さらに屋外のプランター・花壇等に水やりを行うため、機器制御回路基板と接続可能な電動ポンプ・電磁バルブ制御基板を試作した。 今回通信方式をLPWAに変更することにより、音声による水やり操作の不安定を解消することができ、さらに屋外の水やりも可能となった。周波数帯の比較では、コスト面で2.4GHz帯が少ない経費で構築可能となるが、鉄筋コンクリート構造の建屋では通信面で繋がりにくい結果となった。屋外への安定した通信環境を優先するのであれば、920MHz帯での運用が望ましいと考えられる。
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