2021 Fiscal Year Annual Research Report
立ち作業が困難な学生を対象としたフライス盤作業補助装置の研究開発と導入
Project/Area Number |
21H04002
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
福田 龍一 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 技術職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フライス盤 / 車いす / インクルージョン教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体的な障害を有する学生も多く入学しているかなで機械工作機による作業は、安全面から見学となることが多い。本件は身体的な障害等を有する学生にも機械実習作業を健常者と同等に受講できるような作業補助装置を開発することを目的とし実施した。本件で対象とする作業は、フライス盤作業とした。フライス盤は送りハンドルを操作し材料を回転する工具に接触させることで切削加工、成形する工作機械である。加工方法は機械による自動送りではなく手送りでの方法を選択した。これは材質や回転数、送り速度の変化による切削抵抗を感じ取ることを重要視したためである。当該作業を行う場合、立ち作業が困難な学生は加工点からの距離が近いことや転倒、加工中のふらつきの危険等があり安全を考慮すると実践させることができない。しかしこれでは学生間での経験値(知)に差ができてしまう。これを無くすために次の三点を本作業補助装置のコンセプトに補助装置の設計開発を行い、補助装置の使用感、安全性等については本校在籍の技術職員から評価を受けた。 ①自在継手により補助装置設置場所の自由度を高める ②工作機械との連結はクランプ型の継手によりワンタッチで付け外しを可能とする ③加工部の映像をモニターに投影し作業者が加工状況を視認できるようにする 「安全な距離をとり」、「着座姿勢で」、「切削抵抗を感じ取れる」補助装置を開発し、安全面や使用感については使用テストによるその効果の妥当性を確認した。今後、実際に授業等へ導入するには使い勝手の面において検討、改良してくことが求められる。またこれらの内容をまとめ、「第13回高専技術教育研究発表会in木更津」にて報告を行った。
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