2021 Fiscal Year Annual Research Report
個別の教育支援計画に付与し学習指導要領に関連した発達アセスメントの妥当性の検証
Project/Area Number |
21H04007
|
Research Institution | 大阪府立住之江支援学校 |
Principal Investigator |
岩山 カイナ 大阪府立住之江支援学校, 特別支援学校 主幹教諭
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | アセスメント / チェックリスト / 個別の教育支援計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
「個別の教育支援計画」に付与し、学習指導要領の発達段階の把握ができる、A2[支援のための発達アセスメント:以下A2]の妥当性を検証するために、知的発達段階で分類した3段階のアセスメント〈0~5歳程度:以下①,小学生程度:以下②,知的発達の遅れがない:以下③(段階に応じ測る領域を調整している)〉とVineland-Ⅱ適応行動尺度:以下Vineland-Ⅱの、関連領域ごとの相関関係について、7~18歳の知的障害のある児童生徒91名(①39名②34名③18名)のデータを基に基準関連妥当性から分析した。 A2とVinland-Ⅱの領域間の相関係数は、それぞれの領域で、身辺自立①.92、対人関係①.87②.65③.63、理解言語①.89②.85、表出言語①.92②.79、読み書き①.81②.85③.85、粗大運動①.78②.75、微細運動①.83②.81であり、中程度から強い相関もしくは負の相関を示した。また、A2の情動や衝動性に関わる領域は、同じ特徴を測定しないもののVinland-Ⅱ「コーピングスキル」[不適応行動指標]に影響があると想定される。両者の領域の相関を見ると、A2情動は「コーピングスキル」と①.71②.80③.71の強い正の相関、[不適応行動]と②-.71③-.58の強いまたは中程度の相関があった。A2衝動性等は、「コーピングスキル」と強いまたは中程度の相関(①.62②.66③.77)、[不適応行動]と中程度の負の相関があった(②-.51③-.66)。 本結果より、A2アセスメントの基準関連妥当性を確認できた。エビデンスのあるアセスメントとして利用するための最低限の条件をクリアできたものと考える。筆者はA2のユーザビリティについても確認している。本結果と合わせて考えると、A2は専門性の少ない教員でも比較的簡便に使用可能なから、インクルーシブ教育での活用が期待できる。
|