2021 Fiscal Year Annual Research Report
理化学ガラス器具による刺突事故の再現実演セット開発と効果的な演示法の研究
Project/Area Number |
21H04019
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
熊谷 宜久 神戸大学, 工学研究科, 技術専門員
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ガラスの破壊実演 / ガラスの歪みのIn-Situ可視化 / 危機管理安全教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
具体的内容:まず、ガラス器具の破損を安全に実演するための開発を行った。直方体のアクリル水槽を加工した容器内でガラス器具の破損実演を行った。左右の壁に補強した孔から押込棒を入れ、前面から操作することによりガラス器具を安全に破壊した。同時に歪検査器により破壊の過程を観察し、録画を行った。映像はリアルタイムでディスプレイに写し出し、実習生にとって観察が容易なよう配慮した。以上により、学生実習等において破壊の過程を観察させる環境を整えることができた。配分予算の都合上模型の手を使用した刺突事故の再現は断念したが、上記水槽とは別途用意したアクリル容器内でガラス細工により作製したピペット模型を用いて刺突事故の際の動きを再現した。ビデオ撮影を行い、本学工学研究科応用化学専攻のホームページにアップしており、オンデマンド講習が可能な状態となっている。 意義・重要性:従来の安全教育では口頭あるいは間接的な手法に頼っていたが、本研究で開発した実演器材および手法により、聴衆者は事故の瞬間を、平常心を保ちつつ視聴覚的に捉えることが期待できる。安全であるため、実体験も可能である。合理的な理解を促すことにより、実際のガラス器具をより安全に取り扱うことができるようになる。公開したビデオによるオンデマンド講習によって多数の聴衆者に同様の効果が見込める。教育・研究機関、生産現場への安全の寄与という面で多大な社会的意義が生ずると考えられる。歪み計は本奨励研究の資金を要する効果な装置ではあるが、水槽等は身近な道具を転用できるものであり、教育者が今回紹介したノウハウを用いれば、同様の安全教育を各々の現場で行う事ができる。 本研究課題で得られた研究成果については、新型コロナの影響により当初想定から繰り延べて令和5年3月に広島大学において実施される技術発表会において発表する予定である。
|
Research Products
(1 results)