2021 Fiscal Year Annual Research Report
仮想的に溶接技術を体験できるオンライン教育支援システムの開発
Project/Area Number |
21H04029
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山本 正幸 長崎大学, 工学研究科, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 溶接体験 / オンライン授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、コロナ禍でオンライン授業が必須となった。ネットワーク環境も整えられ、自宅でオンライン授業を受けることも普通になった。しかし、動画配信やビデオ会議アプリを利用した従来のオンライン授業では、学生の行動は「見る」、「話す」以外は制限されており、大半の学生は眺めるだけで理解しようとしてしまう。体験型のオンライン授業も提案されているが、特殊で高価な装置を受講者全員に配付するなど、現実的には実行が困難である。そこで、本研究では、学生の大半が所有しているスマートフォンに着目し、特別な環境やデバイスの準備が不要で、自宅で簡易に溶接作業の疑似体験ができるオンライン授業の方法を提案する。 本研究で提案する疑似溶接体験では、各家庭で適当な長さの棒と、大きめのクリップを準備してもらい、それらを溶接棒と溶接ホルダーに見立てる。そして、何らかの方法で疑似溶接棒にスマートフォンを括り付けてもらい、疑似溶接棒の動作をスマートフォンのセンサーで計測する方法を提案する。具体的には、スマートフォンの加速度センサーで重力加速度を測ることで、スマートフォンの姿勢を求めることができるので、アークの発生動作の検知や、運棒中の溶接棒が適切な傾きの範囲に入っているかを評価するプログラムを作成し、簡易な方法で実行できる体験型学習法を提案した。 現在、大半の学生がスマートフォンを所持している。本研究の疑似溶接体験では、加速度センサーを利用したが、スマートフォンには、他にも様々なセンサーを搭載している。これらセンサーを積極的に利用すれば、これまで、学生が「見る」と「話す」しかできなかったオンライン授業の内容を、もっと充実させることができると考えている。
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