2021 Fiscal Year Annual Research Report
高校数学の反転授業の実践と評価ー資質・能力の批判的思考と自己調整学習との関係ー
Project/Area Number |
21H04046
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Research Institution | 華陽フロンティア高等学校 |
Principal Investigator |
名知 秀斗 華陽フロンティア高等学校, 高校教員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 反転授業 / 批判的思考 / 自己調整学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等学校ではアクティブ・ラーニングによる資質・能力の育成が、2022年度施行の学習指導要領から求められている。アクティブ・ラーニングの一形態として、反転授業が挙げられる。また、資質・能力には、たとえば、批判的思考や自己調整学習が挙げられる。反転授業は、実践の方法次第で、資質・能力育成を促すと考えられるが、現状の日本の高等学校における実践研究では、反転授業と資質・能力(特に、批判的思考や自己調整学習)との関係に着目した研究はあまり見かけられない。そこで、本研究では、研究(A):高等学校における批判的思考態度育成を目指した反転授業の設計と評価と、研究(B):反転授業における自己調整学習のための方略の評価尺度の作成について研究を行った。 研究(A):高等学校における批判的思考態度育成を目指した反転授業の設計と評価では、批判的思考態度育成を目指すために、対面授業に可能な限り質問活動と説明活動を取り入れた反転授業の設計と実践、評価を高等学校で行うことを目的とした。評価の結果、批判的思考態度を構成する「論理的思考の自覚」「客観性」「探究心」の3因子全てにおいて、事前から事後にかけて有意な向上が確認された。 研究(B):反転授業における自己調整学習方略の評価尺度の作成では、尺度作成のために、反転授業を2回行った。まず1回目の反転授業を実施で得られた自由記述から尺度を仮作成し、次に、仮作成した尺度の妥当性と信頼性の検討を、2回目の反転授業の量的調査で得られたデータを通じて行った。その結果、動画視聴における自己調整学習方略は、予見に該当する「計画」、遂行コントロールに該当する「メモ」「理解深化」「切り替え」、自己内省に該当する「振り返り」「改善」の、6因子14項目で構成されると捉えられた。研究(B)で作成した尺度は、将来、反転授業と自己調整学習の関係の検討に用いる予定である。
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