2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H04054
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
藤野 智美 奈良女子大学, 附属中等教育学校, 国立中等教育学校教諭
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電子キーボード / オシロスコープ / フィルタ回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学習者の得意・不得意の印象として、相反する感覚が抱かれている「音」と「電磁気」に注目した教材開発に取り組んだ。主にオシロスコープを活用し、音の可視化や位相の操作を切り口として電磁気分野の探究へと繋げる教材開発を行なった。【電子キーボードの波形の解析】電子キーボードのイヤホン端子から電気信号を取り、抵抗とコンデンサー、コイルに接続し、オシロスコープを用いて電流や電位差の時間変化を測定した。その後、得られた電流波形をExcelシートに貼り付け、電流波形の写真と重なる散布図を作成した。 また、波形の高さを算出し、その値を元にExcelのマクロを利用してフーリエ級数の係数を決定した。得られたデータを用いてフーリエ級数をグラフ化し、電子キーボードから取得した波形の生データと比較した。【フィルタ回路の作成とノイズ除去】抵抗、コイル、コンデンサーを利用して、ハイパス・フィルタ、ローパス・フィルタなどのフィルタ回路を作成し、音源の周波数を変化させたときに特定の周波数帯がカットされる様子を観測した。また、これらの回路とマイクを接続し、ノイズを含む音源を入力させた際に、ノイズ除去が行われる様子をオシロスコープの観測を通じて観測した。【総括】これらの活動を通じて、女子生徒が興味を持ちやすい音の現象から電磁気分野への解析につなげることができ、電磁気的な解析の有用性を体感しやすいというアンケート結果が得られた。加えて、音作りという体験を通して波形解析に必要な数学的な理解を深めることが可能となる教材を開発できた。
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