2021 Fiscal Year Annual Research Report
地下水中のラドンの子孫核種を用いた放射線教育の教材研究とラドン地下水マップの作製
Project/Area Number |
21H04061
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大西 和子 東京学芸大学, 理科教員高度支援センター, 専門研究員・特命講師
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線教育 / ラドン / 地下水 |
Outline of Annual Research Achievements |
地下水に含まれるラドン子孫核種の捕集のため、地下水にゼオライト粉末と凝集剤(PAC)を分散させて収集を行うが、収集する核種(214Pb、214Bi)の半減期がそれぞれ20~30分程度と短いため、ゼオライト粉末・フロックの沈降速度を上げることが課題であった。このフロックをより早く凝集させるため、高分子凝集剤(浅田化学工業(株)ポリロックON)を用いたが、その最適濃度が明確ではなかった。この最適濃度については、研究の結果、1Lの地下水に対して10倍に希釈をピペットで5滴滴下した際の沈降速度が最も早いことが分かった。しかし地下水によっては、PAC使用によるフロックの形成が十分でない場合があり、そのような状況で高分子凝集剤を用いても沈降速度が速まらない場合があることも分かった。 東京都環境局の「東京の名水57選」のうち、お鷹の道・真姿の池湧水群(国分寺市)、貫井神社(小金井市)等の地下水と、国分寺市で整備されている公園の井戸を用いて、ラドン地下水マップを作成した。マップにはこれらの地下水中に含まれるラドン子孫核種から放出される放射線測定データ(β線、cpm(最大値))を記載した。 協力校との実践については、コロナ禍により地下水実験の実践を行うことができなかった。また実験キットの作製については、採水場所でも測定が行えるよう、ポータブル電源等を用いて開発を行った。測定器には(株)NaRiKaのイージーセンスのGMセンサを用い、Bluetooth接続によりワイヤレスで携帯端末での測定が可能になった。 得られた実験結果やラドン地下水マップは、国際学会にて発表を行い、地下水を用いた放射線教育としてその紹介を行った。地下水ラドンマップは「東京学芸大学動画配信システム」(http://video.u-gakugei.ac.jp/)の放射線教育プロジェクト内コンテンツとして公開を準備中である。
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