2021 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者世帯の雪下ろしを助け家族等につなぐIoTコミュニケーション端末の開発
Project/Area Number |
21H04109
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
山浦 賢太郎 長岡技術科学大学, 技術支援センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | IoT / 雪下ろし / ラズパイ |
Outline of Annual Research Achievements |
雪害のうち屋根の雪下ろし等の除雪作業による犠牲者が多く,その多くは高齢者である.不必要な雪下ろしを行わないために屋根雪の重さを推定する必要があるが,積雪深だけでは推定が難しい.新潟県では適切な雪下ろし判断のために,防災科研が新潟大学等と共同開発した積雪荷重計算システム「雪おろシグナル」が活用されている.当該システムを使えば積雪荷重を計算できるが,Webシステムのため高齢者には利用が難しい.そこで本研究では,高齢者を念頭に「雪おろシグナル」の活用と家族等による適切な支援を促すことを目的として,安価に設置可能なIoTコミュニケーション端末(以降IoT端末)の開発を行った. 本研究は高齢者が使用するIoT端末と,連携サーバの構築を行った.IoT端末は,シングルボードコンピュータRaspberry Pi 3 MODEL B+ にディスプレイとスピーカー,4G通信モジュール,電源管理・死活監視モジュールを接続して構築した.ディスプレイ上では常時,積雪荷重予測のデスクトップアプリが表示されるようにし,GUIを使って雪下ろし実施日の登録や積雪荷重予測の取得がワンクリックで行えるようにした.取得した積雪荷重や,屋根の雪下ろしを促すメッセージは音声出力で読み上げる.定期的に自動で積雪荷重を取得し必要に応じて注意喚起したり,雪下ろし状況等に関する家族等への定期連絡も行う.IoT端末上で登録した雪下ろし実施日はサーバへ送信してサーバ上で記録する.サーバ側ではIoT端末に対してソフトウェア更新等の必要な技術的支援も行う. 本研究成果により,雪下ろし実施日の記録や雪下ろし目安の提示と注意喚起が簡単に行えるようになり,家族等への自動定期連絡も行えるようになった.不必要な雪下ろしを減らすことで雪下ろし事故の削減につながるだけでなく,高齢者世帯における雪下ろしの実態を把握することが可能となる.
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