2021 Fiscal Year Annual Research Report
津軽海峡潮海流発電装置のディフューザ3次元形状に関する研究
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21H04112
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
蛯子 翼 函館工業高等専門学校, 技術教育支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 潮海流発電 / つば付き漸拡型ディフューザ / 模型実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
津軽海峡における潮海流発電装置の開発において,発電装置に用いるつば付き漸拡型ディフューザの特性を3次元形状で検証を行うべく,模型実験を行った.つば付き漸拡型ディフューザは,漸拡型ディフューザの出口につばをつけ,つば周辺に発生する負圧域を発端とした引き込み力と漸拡形状による揚力効果によりディフューザ内の増速を図った形状で,発電装置実機ではディフューザ入口に発電用の回転タービンを設置して発電を行うことを想定している. 実験に用いたディフューザの3次元模型は,内部増速に影響を及ぼすと思われる『つば長さh』,『ディフューザ開き角θ』,『ディフューザ長さL』をそれぞれ変更して設計した.製作には3Dプリンターを用い,各種ディフューザ模型の入り口部において回転タービンと流速計を付け替えることができる.2次元可傾斜式水路実験装置に各種3次元模型を設置し,現地流速域(現地標準流速は1m/sec)を網羅した流れを模型のスケールに合わせて与え,ディフューザ内に組み込んだタービンの回転数を測定した後,模型内のタービンを流速計に付け替え,同様の流れにおけるディフューザ内の流速を測定した. 実験の結果,津軽海峡における潮海流発電装置のつば付き漸拡型ディフューザ形状について,つば長さhを変更した場合,現地標準流速近辺以外の流速域においてhの大きい形状は効率的なタービンの回転が得られた.標準流速周辺以外での流速域ではhの変化がディフューザ内の流速分布に与える影響は少ないと考えられる.次に開き角θを変更した場合,θが小さい結果ほどタービンの回転効率は低くなったことから,ディフューザ内に流速域の偏りが生じていると考えられる.ディフューザ長さLを変更した場合,h,θの結果と比べタービンの回転効率は高く推移したほか,Lを極端に短くした場合,低速域におけるディフューザ内の流速分布は不安定になると考えられる結果となった.
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