2021 Fiscal Year Annual Research Report
胚操作不要のゲノム編集技術「GONAD法」による遺伝子改変アルビノモルモット作製
Project/Area Number |
21H04148
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
青島 拓也 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | GONAD法 / ゲノム編集 / モルモット |
Outline of Annual Research Achievements |
新規ゲノム編集技術「genome-editing via oviductal nucleic acids delivery(GONAD)法」は、卵管内の受精卵に直接ゲノム編集を施すため、胚操作を必要とせず、胚操作法や培養法が確立されていない動物に対しても有効である。本研究では、本法を用いてこれまでに遺伝子改変動物が作製されていないモルモットでのゲノム編集を試みた。 実験では有色モルモット(Hos:Weiser-Maples)のチロシナーゼ遺伝子を本法にてノックアウトし、アルビノモルモットを作製することとした。6~10週齢の雄性Hos:Weiser-Maplesおよび雌性Slc:Hartleyを購入し、雌にプロジェステロンチューブ(Pチューブ)を埋植して性周期同期化し、HMG(human menopausal gonadotrophin)により過排卵処置をした後、自然交配させるか、あるいは人工授精をした。交配が成立した雌あるいは人工授精を行った雌は、3種混合麻酔下にて腰部を切開し、卵管を体外に露出させ、チロシナーゼ遺伝子に対するゲノム編集液を卵管に注入し、ピンセット型電極で挟みエレクトロポレーションを行った。卵管を腹腔内に戻し切開部を縫合した後、妊娠21日以降に開腹するか出産まで飼育し、胎児または出生児の眼の色を確認した。また尾部の一部を採取し、DNA抽出後、シークエンスにより遺伝子配列を決定した。 実験の結果、Pチューブ、HMG、人工授精によって交配をコント―ロールできるようになり、また卵管内の受精卵のおおよその局在も判別できるようになったものの、本年度内にモルモットのチロシナーゼ遺伝子をノックアウトしアルビノモルモットを作製することはできなかった。原因として受精卵の局在が厳密に同定できないこと、適した電流値でエレクトロポレーションを実施できていないこと等が考えられた。
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