2021 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロデバイスを用いた筋萎縮性側索硬化症(ALS)細胞モデルの構築と機能評価
Project/Area Number |
21H04161
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
内藤 佳津子 東海大学, メディカルサイエンスカレッジオフィス(生命科学統合支援担当), 大学技術職員(東海大学メディカルサイエンスカレッジオフィス技術職員)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経筋接合部 / 神経筋共培養 / in vitro |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis: ALS)は、上位及び下位運動ニューロンが選択的に侵される進行性の神経変性疾患である。ALS発症初期には、下位運動ニューロン(LMNs)と骨格筋の神経終末の接合が失われることが知られている。この疾患初期の神経筋接合部(Neuromuscular junction:NMJ)の動態変化をin vitroで再現することができれば、ALS疾患の初期症状を模倣する新たなALS細胞モデルを構築することができる。本研究では、ALSのin vitro細胞モデルの構築を目指し、マウス筋芽細胞(myoblast)から分化誘導した骨格筋と健常者人工多能性幹細胞(iPSCs)由来LMNsの共培養を行い、NMJ形成の誘導を試みた。それらの機能評価を行うことを目的として、下位運動ニューロンと骨格筋の共培養によるNMJの形成を試みた。神経筋接合部を有するALS(筋萎縮性側索硬化症)のin vitro細胞モデルを確立し、分化誘導した骨格筋と下位運動ニューロンの共培養を行った結果、共培養開始後21日目から骨格筋の収縮が認められ、その収縮はアセチルコリン依存的であることを確認した。Alexa594標識αブンガロトキシンを培地に添加し、細胞表面のアセチルコリン受容体をラベルし、シナプトフィシンとの共存を解析した結果、両者が陽性の神経筋結合部のクラスタを確認した。よって、ヒト由来iPSCsを用いてin vitroでの分化誘導した骨格筋及び下位運動ニューロンとの共培養において、機能的な神経筋結合部形成誘導が可能であることが示された。
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