2021 Fiscal Year Annual Research Report
テイコプラニン6成分の体内動態に影響するアルブミンの質的変動の検討と臨床応用
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21H04227
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
宮城 知佳 大分大学, 医学部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | テイコプラニン / 治療薬物モニタリング / タンパク結合率 |
Outline of Annual Research Achievements |
テイコプラニン(TEIC)は治療薬物モニタリング(TDM)対象の抗菌薬である。現行のTDMでは血中総濃度を指標としているが、実際に薬効を示すのは遊離型薬物である。血中のTEICは主にアルブミンと結合しているが、糖尿病(DM)や慢性腎臓病(CKD)時にアルブミンの構造が変化することが近年報告されており、このアルブミンの質的変動によりTEICの遊離型分率が変化することが推測される。そこで、本研究ではTEIC主要6成分の遊離型分率とアルブミン翻訳後修飾体の割合との関連性を評価することを目的とした。 本研究の対象は、大分大学医学部附属病院においてTEICが投与され、通常診療目的にTDMが実施された患者とし、1患者あたり最大2検体回収した。対象患者のTDM用の残余血清を回収後、アルブミンの翻訳後修飾体用に50μL(10×クエン酸バッファー含む)、TEIC総濃度測定用に100μL分注し、-40℃で保存した。また、遊離型濃度測定用に500μLを限外濾過し、濾過後のfree fractionを-40℃で保存した。現在、目標症例数100例(200検体)のうち、29症例(47検体)の回収が完了している。目標症例数のリクルートが完了した後、アルブミンの翻訳後修飾体はエレクトロスプレーイオン化-飛行時間型質量分析計、TEICの総・遊離型濃度は我々が確立した高速液体クロマトグラフィーを用いて定量する予定である。また、測定後は測定結果をもとに、TEIC総濃度、遊離型濃度および遊離型分率とアルブミンの翻訳後修飾体の割合との関係を評価する予定である。
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