2021 Fiscal Year Annual Research Report
インドキシル硫酸のヒト心外膜脂肪に対する直接的効果の機序解明
Project/Area Number |
21H04270
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
髙橋 正起 大分大学, 医学部, 医員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心外膜脂肪 / インドキシル硫酸 / 慢性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではインドキシル硫酸(IS)の心外膜脂肪に与える影響を明らかにすることを目的としている。そこで最初にISが心外膜脂肪組織に蓄積するかどうかを検討することにした。 まずISのトランスポーターであるOrganic anion transporter3 (OAT3) が培養、分化誘導した心外膜脂肪細胞や心外膜脂肪組織に発現しているかどうかを組織蛍光免疫染色で検討し、心外膜脂肪細胞、心外膜脂肪組織のいずれにおいてもOAT3が発現していることを確認した。また心外膜脂肪組織から抽出したタンパクを用いたWestern Blot法によりOAT3が心外膜脂肪組織に発現していることも確認した。 次に腎機能障害の進行によりヒト心外膜脂肪組織に蓄積するISの濃度が変化するかどうかをELISA法を用いて検討した。eGFR>60ml/min/1.73㎡、15ml/min/1.73㎡<eGFR<60ml/min/1.73㎡、維持透析患者の3群間で心外膜脂肪組織中のIS濃度を測定したところ維持透析患者において心外膜脂肪組織中のIS濃度は他の2群と比較して有意に上昇していた(p<0.01)。 これらの結果からISは心外膜脂肪に蓄積し、さらに腎機能障害の進行により心外膜脂肪組織中のIS濃度が上昇していくことが明らかになった。今後は具体的にISの蓄積が心外膜脂肪細胞の遺伝子発現にどのような影響を与えるかをマイクロアレイなどの網羅的な解析を用いて検討していく予定である。
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