2021 Fiscal Year Annual Research Report
膠原病性肺高血圧症の病態を反映した新規モデルマウスの免疫系細胞動態の解明
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21H04277
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
桐野 友美 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 実験補助員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
肺動脈性肺高血圧症 (pulmonary arterial hypertension; PAH) は厚生労働省の指定難病であり、予後不良の疾患である。全身性エリテマトーデス (SLE) などの膠原病にはPAHを合併することがあるが、特発性/遺伝性PAH (I/HPAH) と比較しても予後不良であり、分子病態の解明とそれに基づく新たな治療法が望まれている。 膠原病に合併するPAH (CTD-PAH) の病理学的特徴として炎症や線維化がある。研究代表者の所属グループでは、これらの特徴をより強く反映したマウス肺高血圧症モデルとして、鉱油の一種であるプリスタンの投与と低酸素負荷とを組み合わせたプリスタン/低酸素 (PriHx) モデルを新たに開発した (Mori H, et al. Circ J. 2020;84:1163)。本研究ではこのPriHxマウスを用いて、PAHモデルマウスにおける造血・免疫系の動態を明らかにすることを目的とした。 野生型マウスにPristaneを腹腔内投与して4週間経過後、10%低酸素でさらに4週間飼育し、肺・骨髄・脾臓・末梢血等を採取してフローサイトメトリー解析を行った。常酸素で飼育したコントロールマウスと比較して、PriHxモデルマウスの肺および脾臓では、CD11b陽性の骨髄球系細胞の増加や、PD-1陽性のCD4 T細胞の増加などの免疫学的変化が認められた。また、肺においてIL-17産生CD4 T細胞の比率が増加していることが明らかとなり、PriHxモデルの肺高血圧症病態におけるTh17細胞の関与が示唆された。PriHxマウスでは末梢血のHb値上昇などの血液学的変化も観察され、骨髄中の赤芽球系前駆細胞の比率の変化も確認された。
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Research Products
(1 results)