2021 Fiscal Year Annual Research Report
EPMA、μCT、組織切片比較による硬組織石灰化度の定量精度の検討
Project/Area Number |
21H04287
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 文子 新潟大学, 研究推進機構, 技術職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 石灰化度 / マイクロCT / EPMA |
Outline of Annual Research Achievements |
骨や歯を対象とした硬組織研究において、硬組織の形成メカニズムや病的状態を評価するための客観的基準に石灰化度の評価がある。マイクロフォーカスX線コンピュータ断層撮影(μCT)は非破壊的に標本を評価でき、撮影後に研磨または脱灰標本作製が可能であるが、石灰化度の定量評価の正確性については疑問が残る。また、硬組織の脱灰標本をアザン染色したときの染色性の違いの起因となる元素分析についても不明である。 そこで、本研究は、同じ標本のμCT像、電子線マイクロアナライザ(EPMA)像、脱灰組織切片像を比較することで、μCTによる石灰化評価の正確性と脱灰標本の染色性の原因をEPMA像とともに検証した。 5~6週齢ICRマウスを深麻酔下で灌流固定をし、切歯・臼歯を含む上下顎および脛骨のサンプルを切り出し、μCT(ScanXmateコムスキャンテクノ社製)で撮影し、TRI/3D-BON (ラトックシステムエンジニアリング社製)を用いて石灰化密度解析を行った。右側は脱灰後、通法に従いパラフィン包埋を行って組織切片を作製し、アザン染色を行った。左側はエポキシ樹脂に包埋し、EPMAでCaとPの元素マッピングを行った。 μCT石灰化密度解析により、脛骨皮質骨および海綿骨、切歯・臼歯のエナメル質および象牙質の定量解析を行い、海綿骨、皮質骨、象牙質、エナメル質の順番で有意に石灰化が亢進することが示され、EPMAの元素マッピングによるCa定量評価と一致していた。また、脱灰標本のアザン染色により、象牙質基質が部位により異なる染色性を示すことが知られているが、EPMAの元素マッピングによるCaおよびPの定量評価との相関はなく、石灰化度とは異なる基質の状態を反映していることが明らかになった。従って、本研究により、μCTによる硬組織石灰化定量評価の妥当性をEPMA解析により証明することができた。
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