2021 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中治療の新たなストラテジー構築に向けた経頭蓋直流電気刺激がもたらす効果検証
Project/Area Number |
21H04313
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
古屋 浩太 富山大学, 附属病院, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MEP潜時 / MEP振幅 / tDCS |
Outline of Annual Research Achievements |
認定臨床研究審査委員会より臨床研究の実施許可を得て、奨励研究開始前に、MEP測定の再現性を確認する実験を5名の被験者に行った。リクライニング車椅子に座った被験者の左運動野(C3)に経頭蓋磁気刺激し、1回目のMEP(潜時(ms)・振幅(mV))を測定した。刺激部位を半永久的なマーカーでマーキングし、リクライニング車椅子から離れ、再度座ってもらい、マーキングした部位に経頭蓋磁気刺激し、2回目のMEPを測定した。1・2回目のMEP潜時と振幅の平均値でICCの統計解析を実施した。MEP潜時のICCは0.986、MEP振幅のICCは0.937で、MEP測定の再現性が確認され、奨励研究を1名の被験者に実施した。tDCS(実刺激とSham刺激によるクロスオーバー試験)直前・直後・60分後にMEP(潜時(ms)・振幅(mV))とペグ課題(上肢の巧緻性)を評価した。MEPは、リクライニング車椅子に座った被験者の左C3に刺激コイルの8の字の交点を合わせ、閾値×140%の強度で経頭蓋磁気刺激し、右第1背側骨間筋から10発のMEPを測定した。ペグ課題は、1分間、ペグを移動することができた本数を記録した。tDCSの実刺激は、左DLPFCに陽極電極、右M1に陰極電極を配置し、20分間刺激した。Shamは実刺激条件と同じ電極配置で、はじめの40秒間のみ刺激した。 結果(tDCS直前→直後→60分後)、実刺激はMEP潜時21.44±0.44→21.2±0.79→22.22±0.49ms、振幅330.5±116.49→255.1±134.30→316.4±96.87mV、ペグの本数35→36→34本。ShamはMEP潜時21.54±0.56→21.76±0.21→21.89±0.42ms、振幅228.2±87.24→152.9±64.04→247.1±75.03mV、ペグの本数35→34→31本であった。
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