2021 Fiscal Year Annual Research Report
前期高齢者の早期転倒予防に資するリスクファクターの解明。
Project/Area Number |
21H04315
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
松井 瞭友 獨協医科大学, その他部局等, 理学療法士
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 転倒予防 / iTUG / ロコモ25 |
Outline of Annual Research Achievements |
転倒は、大腿骨骨折をはじめとした高齢者の骨折の主原因である(大高2015)。近年では、転倒におけるリスクファクターを同定し、転倒リスクのある高齢者を早期発見し、必要に応じ適切なアドバイスを行う事で転倒予防ならびに生活機能の維持・向上につなげることが重要とされている。 研究対象者は条件を満たした14人(男性3名、女性11名)であり、平均年齢は74.8±4.3歳であった。検査項目として、握力、膝伸展筋力、片脚立位保持時間、Short Physical Performance Battttery(SPPB)、ロコモ25、iTUG時間、iTUGスコア の測定を行った。統計解析として、iTUGスコアで低値と高値の2群に分け、各検査項目の平均値の差の比較を行った。また、各評価項目の相関関係を調査した。 結果として、iTUGスコア高値群114.5±41.9、低値群58.7±9.8であった。群間比較において有意な差が得られた項目としてiTUG時間(高値群7.6±0.7秒、低値群11.2±1.7秒)およびiTUGスコアにおいてp<0.01以下の有意差を認めた。相関関係においては、年齢と片脚立位保持時間、年齢とSPPB、握力と膝伸展筋力、片脚立位保持時間と膝伸展筋力、片脚立位保持時間とロコモ25、片脚立位保持時間とSPPB、膝伸展筋力と握力においてp<0.01以下の相関関係を認めた。また、年齢と膝伸展筋力、年齢とロコモ25、年齢とiTUG、握力とロコモ25、握力とSPPB、膝伸展筋力とロコモ25、ロコモ25とiTUG時間、ロコモ25とiTUGスコア、iTUG時間SPPBにおいてp<0.05以下の相関関係を認めた。 結果より、特にiTUGスコアとロコモ25で有意な相関関係が認められ、質問紙表であるロコモ25は簡便に測定できるため転倒のリスクファクターを予測するツールとして有用であると考えられる。
|