2021 Fiscal Year Annual Research Report
ユズ新芽粉体に含まれる香気成分の温度特性と機能性の検証
Project/Area Number |
21H04324
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
北本 拓磨 宇都宮大学, 工学部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ユズ / 新芽 / 香り |
Outline of Annual Research Achievements |
新規素材であり,かつ未利用資源であるユズ新芽の有効利用および高付加価値化を目的として,粉体化する際の乾燥温度変化が香気成分に与える影響についてガスクロマトグラフ質量分析により検証し,さらに粉体サンプルに対し調香師らによる感性評価を行った. サンプルとなるユズ新芽粉体は,収穫したユズ新芽をフリーズドライ,40 ℃の熱風乾燥および60 ℃の熱風乾燥により乾燥させた後,食品用ミルを用いて粉体化した.比較対象として成熟したユズ葉,青ユズ果皮,および黄ユズ果皮を準備し,それぞれについても同様の条件で粉体化した. GC-MS分析の結果,全ての乾燥温度条件において新芽にα-Terpineolが多く含まれていることが明らかになった .また,成熟葉と比べ新芽にはLinalolが多く含まれており,かつ乾燥温度40 ℃においては青ユズ果皮,黄ユズ果皮よりも新芽粉体にLinalolが多く含まれていることが明らかとなった. 感性評価実験の被験者は,調香師など香料の製作に関わる職種から7名採用した.香気評価はSemantic Differential Method (SD法) を用いて濃薄感,爽快感,高級感,成熟感,甘さ,広がり,刺激性,快さという指標について被験者に7段階で回答させた.加えてグリーン香,シトラス香の強度について8段階 (全く香りがない:0 ― 非常に強い香り:7) で回答させた.感性評価実験の結果,新芽と成熟葉を比較した場合,新芽は高級感についての評価得点が有意に高く,甘さについての評価得点が有意に低かった (共にp < 0.05).
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