2021 Fiscal Year Annual Research Report
Origins, Transmissions, and Diffusions of Materials from the Mount Wutai Cultural Sphere
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21H04341
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲本 泰生 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70252509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 磨希子 佛教大学, 仏教学部, 教授 (00413930)
田林 啓 京都大学, 人文科学研究所, 人文学連携研究者 (10710402)
増記 隆介 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (10723380)
倉本 尚徳 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (30598298)
向井 佑介 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (50452298)
檜山 智美 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (60781755)
藤岡 穣 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (70314341)
谷口 耕生 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 室長 (80343002)
高井 たかね 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (80378885)
皿井 舞 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 室長 (80392546)
井並 林太郎 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部企画室, 研究員 (80747329)
塚本 明日香 岐阜大学, 地域協学センター, 助教 (80768771)
西谷 功 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80773928)
大原 嘉豊 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部保存修理指導室, 室長 (90324699)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 五台山 / 仏教 / 文物 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の状況に鑑みて初年度分の経費は二年に跨がって使用した。この間の最大の成果は2回開催したワークショップであり、第1回(2022年3月21日)は稲本泰生「栴檀瑞像の波及をめぐるいくつかの問題点」、皿井舞(東京国立博物館)「京都・真正極楽寺(真如堂)阿弥陀如来像に関する若干の考察」、高志緑(日本学術振興会特別研究員・京都大学)「普度明太祖長巻」とその周辺―明初の仏教絵画をめぐる一考察」、第2回(同年7月23日)は谷口耕生(奈良国立博物館)「解脱房貞慶をめぐる五台山文殊信仰の造形」、篠原典生(中央大学)「明清時代のメディアミックス-五台山寺観壁画の初歩的考察」の研究報告が行われた。招へいは報告者のみ、基本的にオンラインのイベントであったが、第1回は45名、第2回は55名の参加者があり、活発な討論が行われた。 また2023年1月10日に代表者の所属機関(京大人文研)で行われている共同研究班と合同で研究会を実施し、下野玲子氏(早稲田大学)を招へいして「仏頂尊勝陀羅尼と仏陀波利訳経序に関する諸問題」と題する報告と討論が行われた。参加者は22名であった。 文化財調査の実績では、以下の二件が重要である。国内では2022年9月に長野県方面(定勝寺・牛伏寺)で普陀山聖境図などを実査、画像データの蓄積などを行った(参加者7名)。海外では2023年3月に6名を仏・英国に派遣した。重点をおいたのは五台山文殊関連の図像を多く含むギメ美術館及び大英博物館の敦煌画で、計23点について熟覧調査を実施した。 このほか田中淡(人文研名誉教授)旧蔵中国建築関連資料(山西地方関連の資料多数を含む)の画像整理に着手し、うち約800カットについて、撮影場所の同定作業を終えた。また研究所の蔵する五台山関連拓本資料のうち約半数について高精細画像を作成し、全点について既刊書の掲載情報との詳細な対照表を制作、完成させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため、初年度分の経費は二年に跨がって執行した。当初計画では中国における現地調査、及び中国語圏からの研究者招へいを最重視していたが、2021年度、2022年度ともこれを実施することができなかった。一方で2022年度は国内及び欧米での調査が行えるようになったためこれを実施し、ほぼ当初の計画通りの成果を得て、中国での活動が叶わない状況をかなりカバーできている。研究組織のメンバーによる個人研究も活発で、一部の成果はワークショップで報告されている。また中国建築関連資料及び拓本資料の整理等については、作業が順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も国内外における文化財調査やワークショップの開催などを通して、研究をさらに深化させる。特に中国大陸における文化財調査、及び相互往来による研究集会の開催は、状況をみつつではあるが積極的に行っていきたい。また、メンバー2名が所属する京都国立博物館における文化財修理及び展示企画との連携も模索する。人文科学研究所が所蔵する五台山関連資料の整理等は、これまでの作業を継続して行う。
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Research Products
(35 results)