2021 Fiscal Year Annual Research Report
The Formation of the Proto-Silk Roads: Integrated Research on Early Exploitation of Mountainous Areas in Central Asia
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21H04357
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
久米 正吾 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 特任助教 (30550777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 慎二 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部附属国際人文社会科学研究センター, 准教授 (00609901)
辰巳 祐樹 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 主任技師 (50824398)
藤澤 明 帝京大学, 付置研究所, 准教授 (70720960)
宮田 佳樹 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (70413896)
竹内 望 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (30353452)
瀬川 高弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (90425835)
覚張 隆史 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 助教 (70749530)
佐藤 丈寛 金沢大学, 医学系, 助教 (10558026)
新井 才二 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 日本学術振興会特別研究員(PD) (40815099)
早川 裕弌 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (70549443)
山口 雄治 岡山大学, 埋蔵文化財調査研究センター, 助教 (00632796)
青木 高明 香川大学, 教育学部, 准教授 (30553284)
藤原 直哉 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (00637449)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 青銅器時代 / 農耕牧畜 / 古環境 / 古代DNA / 数理地理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、中央アジア山岳地帯への東アジア系農耕文化の波及を総合的に検証するために、下記の4つの研究班を組織し、各班の有機的な連携に基づいた研究を進める。本年度は以下の研究を実施した。 (1)物質文化班:ウズベキスタンのダルヴェルジン遺跡出土土器の残留脂質分析を進め、同遺跡での調理対象物に関する実証的データを蓄積した。調理伝統の地域間比較のために、中国での雑穀の調理方法に関する民族調査と土器研究の成果をとりまとめ、公表した。青銅器の材料産地推定に向け、中央アジアおよびその周辺国で産出した鉛鉱石の鉛同位体比データを既存の出版物から収集・整理した。 (2)古環境班:夏の気温の気候代替指標物であるアイスコア中の融解層評価のための新たな手法の開発研究を実施し、その成果を公表した。中央アジアならびにその周辺域の山岳氷河アイスコア掘削試料の分析を実施し、代替指標物の基礎データの整備・解析と研究成果の公表を進めた。 (3)生物班:過年度に日本国内に輸送したダルヴェルジン遺跡の家畜の安定同位体分析を実施し、家畜の食性評価をおこなった。同遺跡東側の家畜放牧地と推定される区域から家畜由来物質の含有を実証するための土壌サンプリングを行ない、環境DNA分析の専門家に研究協力を依頼した。 (4)数理地理班:日本とルーマニアの山岳環境での地形評価手法についての研究を実施し、比較研究成果として公表した。先進的な地形計測手法の開発研究をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
物質文化班の主要研究項目であるフィールド調査に関して、新型コロナウイルスの影響により中断していた本科研課題の前身課題のための発掘調査を優先して実施したため、現地調査に1回分のロスが生じた。これにより、予定していた発掘調査や鉱山遺跡の予備調査に遅れが生じた。他方、フィールド調査以外では、国内に輸送済みの試料の分析や文献研究、あるいは既存成果の取りまとめと公表をおこない、当初予定通りの研究が進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールド調査については、調査の回数、日数、人員を今後増大させることによって、その遅れを取り戻す。各班での個別課題に関する研究はおおむね順調に進展しているため、このまま研究を推進する。研究班間あるいはメンバー間の有機的連携に向け、今年度はオンラインのみで実施した全体会議や班会議を、新型コロナウイルスの感染状況に配慮しつつ対面主体に切り替え、より緊密な連携の機会を創出する。
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Research Products
(20 results)