2021 Fiscal Year Annual Research Report
Conservation Technique for Mural Paintings of Burial Chambers in Saqqara, Egypt: Cases of Idout and Memi
Project/Area Number |
21H04366
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
吹田 浩 関西大学, 文学部, 教授 (80247890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安室 喜弘 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (50335478)
鶴田 浩章 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (90253484)
末森 薫 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 准教授 (90572511)
中村 吉伸 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70298800)
肥後 時尚 金沢大学, 新学術創成研究機構, 研究協力員 (50882289)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | エジプト / サッカラ / 文化財 / サッカラ / 壁画 / マスタバ |
Outline of Annual Research Achievements |
エジプトでの現地調査は、コロナ禍によって日本人研究者がエジプトに渡航することができなかったため、多くの作業を翌年度に繰り越した。そのため、今年度の作業は国内での作業が中心となった。 主には、イドゥートの地下埋葬室からすでに今までに収集している壁画片の復元を進めた。大判プリンターによって壁面の実寸大の印刷を行い、壁画片の実寸大印刷と重ねて、本来の位置を復元を続けている。剥落壁画片3次元データについても、データの複合的な活用のための国内でアプリケーションの改善を図った。国内でモデル壁画を作成し、これを人為的に破壊し、壁画復元の準備をおこなった。 申請書の計画にあった「修復した壁画の診断・対策」は、現地に行けなかったため実施できなかった。「母岩の強化・モニタリング方法の確立」については、国内でいくつかの実験と検討を行った。「三次元技術を用いた壁画片の復元」については、現地で3次元カメラを持ち込む代わりに、アップル社IPadのアプリケーションを用いる方法を検討した。これにより、従来より簡便なデータ収集が可能になった。 メミの地下埋葬室の壁画が想定以上に劣化していることが判明したため、緊急の保全策をサッカラ現地の修復技術者の手によって剥落防止策を講じた。 また、"Study of Egyptian Monument"を電子形式で刊行して、国内外の研究機関に流布させた。日本人研究者による宗教文書の研究、女性史に関連したもの、土壌の強化の実験結果の論文を出している、これらに加えて、この雑誌には、サッカラの文化財の修復を行っているエジプト人実務者の原稿を4本掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
世界的なコロナ禍の影響によって、国境を越えた移動が不可能になった。そのため、サッカラ現地での日本人の活動を行うことができなかった。エジプト人実務者の日本への招聘も不可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度に、コロナによる航空機の移動が可能となれば、日本人研究者による現地調査が可能となる。また、初年度に計画していたエジプト人実務者の招聘による、研究の打ち合わせが可能となるため、研究の遅れを後れを取り戻すことができるように計画した。
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