2021 Fiscal Year Annual Research Report
学際的統合研究によるアフリカにおける人と動物の相互関係の解明とその実践への応用
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21H04380
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
松浦 直毅 椙山女学園大学, 人間関係学部, 准教授 (60527894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲澤 伸子 椙山女学園大学, 人間関係学部, 研究員 (80899998)
山口 亮太 椙山女学園大学, 人間関係学部, 研究員 (80783422)
徳山 奈帆子 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (60779156)
古市 剛史 京都大学, 野生動物研究センター, 教授 (20212194)
西江 仁徳 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(RPD) (50621968)
寺田 佐恵子 玉川大学, リベラルアーツ学部, 講師 (20802292)
井上 英治 東邦大学, 理学部, 准教授 (70527895)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | アフリカ大型類人猿 / 人と動物の関係 / 生物多様性保全 / 持続可能な開発 / 学際研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、コロナ禍によって渡航が著しく制限されたため、現地調査が進められなかったが、これまでに蓄積したデータの分析や文献資料の収集をおこなった。代表者の松浦と分担者の寺田らの共著によるガボンの人とゾウの関係にかんする論文、松浦と分担者の仲澤によるアフリカにおける保全や野生動物にかんする研究のレビュー論文、分担者の徳山と古市によるボノボの行動や生態に関する論文(計5編)などを発表した。また、分担者の山口が民族誌の単著、協力者の木村が相互行為論に関する編著書を出版し、分担者の西江が編集する動物記シリーズ4冊が発行された。 繰越をした2022年度には渡航をほぼ全面的に再開することができ、タンザニア、ウガンダ、コンゴ民主共和国 (DRC)、ガボンのそれぞれの調査地において現地調査を進めた。松浦は、タンザニアとガボンで調査をおこない、住民生活の実態や動物との軋轢について情報を収集した。分担者の井上は、ガボンの調査地におけるレイヨウ類の遺伝構造にかんする論文を刊行した。仲澤はタンザニアで調査をおこない、アフリカヒョウの活動パターンと獲物の消費に関する論文を刊行した。徳山は、DRCにおいて現地の中高生が持つボノボに関する知識や保全意識についてアンケート調査を実施した。古市は、ボノボの遊動パターンと植生の関係に関する論文などを刊行した。寺田は、野生生物の国際取引を巡る国際会議に参加するとともに、地域の実情を取り入れた保全のあり方を考察した。西江はタンザニアで調査をおこなうとともに、動物記シリーズ3冊を編集した。山口はDRCで調査をおこない、生態人類学的データの分析を進めた。木村はDRCの調査地の言語であるロンガンドの語彙集を編纂した。以上を通じて、人類学と動物学の双方からのアプローチによって各調査地における人と動物の関係の特徴を見出すとともに、両者の共存のあり方について検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により2021年度に予定していた現地調査の実施を延期したが、2022年度に渡航を再開することができ、当初の計画におおむね追いつくことができた。また、渡航できないあいだに、これまで蓄積したデータの分析や論文・書籍の執筆や編集を進めることができ、順調に成果を発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき、それぞれの調査地で人類学・動物学のそれぞれのアプローチによる研究を進めるとともに、人と動物の関係に着目して、両者を融合した学際研究を推進する。そのために、オンラインツールも併用した研究打ち合わせの機会を増やし、海外機関の研究協力者もふくめた研究メンバー同士の情報交換や連携を強化する。それぞれの調査地への渡航には支障がないものと想定しているが、感染症や政情不安などによって計画変更をする必要が出た場合は、現地の研究機関と連携して、現地の研究協力者にデータの取得や情報収集を進めてもらう予定である。
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Research Products
(50 results)
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[Journal Article] Prevalence of antibodies against human respiratory viruses potentially involving anthropozoonoses in wild bonobos2021
Author(s)
Yoshida Tomoyuki, Takemoto Hiroyuki, Sakamaki Tetsuya, Tokuyama Nahoko, Hart John, Hart Terese, Dupain Jef, Cobden Amy, Mulavwa Mbangi, Hashimoto Chie, Isaji Mina, Kaneko Akihisa, Enomoto Yuki, Sato Eiji, Kooriyama Takanori, Miyabe-Nishiwaki Takako, Suzuki Juri, Saito Akatsuki, Furuichi Takeshi, Akari Hirofumi
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Journal Title
Primates
Volume: 62
Pages: 897-903
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Book] Lexique longando ロンガンド語彙集2023
Author(s)
Kimura, D. and Lingomo-Bongoli
Total Pages
541
Publisher
Research Institute for Languages and Cultures of Asia and Africa, Tokyo University of Foreign Studies.
ISBN
9784863373945
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[Book] カニの歌を聴け2022
Author(s)
竹下文雄(著)黒田末壽・西江仁徳(編)
Total Pages
192
Publisher
京都大学学術出版会
ISBN
978-4814003952
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[Book] アザラシ語入門2022
Author(s)
水口大輔(著)黒田末壽・西江仁徳(編)
Total Pages
208
Publisher
京都大学学術出版会
ISBN
978-4814004393
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[Book] 出会いと別れ2021
Author(s)
木村 大治、花村 俊吉
Total Pages
374
Publisher
ナカニシヤ出版
ISBN
9784779514982
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[Book] 隣のボノボ2021
Author(s)
坂巻哲也(著) 黒田末壽・西江仁徳(編)
Total Pages
292
Publisher
京都大学学術出版会
ISBN
978-4814003365
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[Book] キリンの保育園2021
Author(s)
齋藤美保(著) 黒田末壽・西江仁徳(編)
Total Pages
246
Publisher
京都大学学術出版会
ISBN
978-4814003334