2021 Fiscal Year Annual Research Report
Going Left or Right?: Comparative Global Populism
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21H04386
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
水島 治郎 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (30309413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中北 浩爾 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (30272412)
西山 隆行 成蹊大学, 法学部, 教授 (30388756)
野田 昌吾 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (50275236)
古賀 光生 中央大学, 法学部, 准教授 (50645752)
今井 貴子 (小関貴子) 成蹊大学, 法学部, 教授 (60552859)
作内 由子 獨協大学, 法学部, 准教授 (60631413)
伊藤 武 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70302784)
上谷 直克 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターラテンアメリカ研究グループ, 研究員 (80450542)
中山 洋平 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (90242065)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 右派ポピュリズム / 左派ポピュリズム / エリートと人民 / 既成政党 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は5年計画の1年目にあたることから、基礎作業として、欧米日ラ米におけるポピュリズム政党(運動含む)の新たな展開について、研究文献・新聞雑誌などの収集、グローバルなポピュリズム比較をめぐる理論的構築を中心に研究を進めた。当初は現地訪問による書籍・雑誌・新聞・パンフレットなどの収集、現地研究者との意見交換も実施する予定であり、ドイツのように総選挙が実施される国には重点的に現地調査を行う予定であったが、新型コロナウィルスの感染が続いているために断念せざるを得なかった。著名研究者招聘による国際セミナー開催も断念した。他方でオンラインによる研究会開催は定期的に実施することができ、理論的検討と比較分析を順調に進めることができた。特に本グループは、すでに論文集『ポピュリズムという挑戦』を刊行するなど、ポピュリズム比較研究では顕著な業績を上げていると自負しているものの、ポピュリズムの本場ともいうべきラテンアメリカについては知見が及ばなかったところ、新年度よりラテンアメリカのポピュリズムに関する専門家をメンバーに加えることで、研究体制に厚みが増しており、研究会でも数波におよぶラテンアメリカのポピュリズムの展開を詳細に伺い、共同研究としての新展開を実感することができた。また理論的構築としては、「「左」と「右」のポピュリズムの共通点と相違点は何か」という課題にとりくんだ。Mudde/ Kaltwasserらによるポピュリズム研究が提示するように、ポピュリズムは「人民」に依拠してエリート層を批判し、「悪しきエリート」に代わって「善良な人民」の意思を直接実現すると主張するものの、その「人民」概念、「エリート」理解には大きな違いがあり、その違いが左右のポピュリズムを分かつのではないかとの観点から議論が展開された。なお一部繰越により、上記の研究の一部は2022年度に実施された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究会実施はオンラインにより予定通り継続したことで、研究活動そのものは順調に進行した。特にラテンアメリカという新たな視座を得たことで、これまで日米欧に限定されていた当研究会のグローバル・ポピュリズム研究が飛躍的に充実した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、さらに詳細に各国のポピュリズムの検討を行い、個別事例の検討はもちろん、比較政治理論への貢献も果たしていきたい。また 2022年度以降は、オンラインも含め、国際的に著名な研究者を招聘し、ポピュリズムをめぐる国際的な協力による分析を開始したい。
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Research Products
(21 results)