2021 Fiscal Year Annual Research Report
Behavioral Macroeconomics under Imperfect Information
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21H04397
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
敦賀 貴之 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (40511720)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 康生 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (50583663)
山形 孝志 大阪大学, 社会経済研究所, 特任教授(常勤) (20813231)
小枝 淳子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30549275)
片山 宗親 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (20718134)
中園 善行 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 准教授 (10707483)
相馬 尚人 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (50897543)
YOO DONGHOON 大阪大学, 社会経済研究所, 講師 (20868541)
明坂 弥香 神戸大学, 経済経営研究所, 助教 (40844593)
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| Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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| Keywords | インフレ予想 / 期待形成 / 行動マクロ経済学 / 不完全情報 / アンケート調査 / コロナ禍 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、ミクロデータ班、マクロモデル班が各々の研究を推進した。得られた研究成果は、4つに分類できる。(1) アンケート調査を用いたマクロ経済分析、(2)ニューケインジアンモデルと行動経済学の融合、(3) コロナ禍における行動マクロ経済分析、(4) 期待形成、行動経済学に関するマクロ経済分析、である。
まず、(1)では、中園が、インフレ予想の変化に対して、消費と貯蓄の選択がどの程度、活発に変動するのかについて、アンケート調査による分析を行った。相馬は、消費動向調査のインフレ予想データとテキストデータ分析を融合し、ニュース報道の在り方によって、インフレ予想にどのように影響しているのかを分析した。
(2)のニューケインジアンモデルと行動経済学の融合では、YooはDiagnostic Expectationsをニューケインジアンモデルに導入したモデルを構築し、「より起こりそうな事象」に対して過剰反応するモデル、敦賀、廣瀬は、別論文で行動経済学を導入した過少反応のモデルを理論分析・実証分析の両面から分析した。このほか、敦賀は不完全情報・不完全共有知識のモデルから、産業別インフレ動学を理論・実証面から検証した。
(3)のコロナ禍における行動マクロ経済分析では、山形は、コロナ禍のエネルギー消費への影響を分析し、中園は、アンケート調査を用いて、コロナ禍の消費、より具体的には、属性に応じて、消費への影響がどのように異なるのかを明らかにした。
最後に(4)のその他の分析では、小枝は、期間構造の計量モデルを用いて、短期金利、長期金利の変動を分析し、金融政策分析への応用を検討した。片山はマクロ経済学の分析手法を用いて、人流データから労働供給の行動科学的な研究を行い、明坂はミクロ実証の分析手法から労働需要の変動についてマクロ経済学的な含意を導く研究を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は、まだ具体的な学術誌への公刊は少ないものの、ディスカッション・ペーパーなどの形で公表できており、おおむね順調である。引き続き、論文の改訂作業をして、成果につなげていく。
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| Strategy for Future Research Activity |
引き続き、前年度からの研究を遂行する。これまでディスカッション・ペーパーとなっていた論文については、学術誌への公刊を目指す。または、未公表の論文については、分析結果を整理したうえで、公表を目指す。また、当初の計画でのプロジェクトのうち、期待形成の変動要因や期待形成のインパクトについての研究は一定の成果を得ていため、これらを中心に、令和４年度の研究の進捗を進めたい。
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