2021 Fiscal Year Annual Research Report
Generation mechanisms of affect and decision-making based on predictive processing of interoception
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21H04420
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大平 英樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90221837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 大介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00760589)
遠山 朝子 専修大学, 文学研究科, 特別研究員 (10816549)
田邊 宏樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (20414021)
長井 隆行 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (40303010)
木村 健太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (40589272)
片平 健太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60569218)
齋藤 菜月 名古屋大学, 情報学研究科, 研究員 (60844834)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | 生理 / 予測 / 内受容感覚 / 感情 / 意思決定 / 脳 / 身体 / 計算論モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的:身体内部信号の予測的処理から生じる内受容感覚が、感情を創発し意思決定を導く、という仮説を次のように検証する。1)内受容感覚の予測的処理に基づく身体状態の制御、感情の創発、意思決定の過程を表現する計算論モデルを構築する。2)内受容感覚を操作して意思決定課題を施行し、そこで得られる行動、脳画像、脳波、自律神経系指標の時系列データを計算論モデルにより解析し、主観的感情の報告と照応させて上記の仮説を検証する。3)人間の身体と計測装置を融合したシステムであるセンサロイドを製作し、そこで得られたデータと、マルチモーダル潜在ディリクレ配分法によるモデル化により、内受容感覚、外受容感覚、固有感覚から感情概念が生成され主観的な情動が経験される原理を探求する。4)身体症状症を内受容感覚の不全と捉え、その特性を1)、2)、3)と同様な計算論モデルと実験により検討する。 2021年度の研究成果:1.内受容感覚・意思決定・核心感情の機能的な関連とその時系列的な動作を実証的に検討するための実験課題(確率学習課題)と、そこでの行動を表現する強化学習モデルの基礎的枠組みを検討した(名古屋大学)。2.心拍と同時に音が鳴ったか、遅れて鳴ったかを答える心拍検出課題を改変して、内受容感覚を操作する実験課題のための基礎的枠組みを検討した(産業技術総合研究所・名古屋大学)。3.外受容感覚・固有感覚・言語を基に外的環境に関する概念を生成する計算論モデルに内受容感覚を組み込むことで、情動の概念が形成される過程を表現するモデルの基礎的枠組みを検討した(大阪大学)。4.身体症状症の患者と健常者の内受容感覚・感情・意思決定を比較検討するための研究計画を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では、2021年度に名古屋大学、産業技術総合研究所、大阪大学、京都府立医科大学の各拠点において、それぞれ研究計画を策定した上で必要な装置などを購入して研究環境を整備し、具体的な実験課題等を作成して予備的なデータ収集を行うまでを予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大によりヒトを対象にする研究、特に京都府立医科大学で予定していた身体症患者を対象にした研究は大きな制約を受け、予定どおりに進行できなかった。世界的な半導体不足の影響により輸入するはずであった実験用機器の購入が遅れるなどの影響もあった。 これらの要因により、各拠点において実験課題や実験系の構築に向けての検討の段階にとどまり、具体的なデータ収集には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度には、新型コロナウイルス感染症の状況が改善され各種の規制が緩和されて、ヒトを対象にした研究が行えるようになると期待される。そこで2022年度には、1.各拠点における実験課題、実験操作、測定などの実験系を整備し完成させる。2.これらを用いた予備的なデータ収集を行い、構築した実験系などの妥当性を確認する。これを通じて、2023年度より本格的なデータ収集が可能になるように準備を行う。
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Research Products
(12 results)