2022 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of physical and mental functions through body modulation and neuromodulation
Project/Area Number |
21H04425
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大須 理英子 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60374112)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ウーシサーリ マルリカ・ヨエ 沖縄科学技術大学院大学, 神経活動リズムと運動遂行ユニット, 准教授 (30799656)
熊野 宏昭 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90280875)
吉田 太樹 藤田医科大学, 保健衛生学部, 助教 (90880823)
|
Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
|
Keywords | 脳刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ヒト脳内・脳間ネットワークへの介入手法の開発と検証 非侵襲脳刺激や身体動作によって、個体内の複数脳部位、個体間の脳活動を修飾する手法を検討する。さらに、これらの介入により、ネットワークの状態を変調し、行動や心的状態に変化を誘導しうるかどうかを検証する。個体内ではDMNを反映する脳波や注意機能について、個体間では協調動作や社会的関係などについて変化が見られるかを評価することを目指す。本研究期間においては、介入の対象となるネットワークを同定するため、注意課題実施中における脳波を計測し、注意が向いている場合と注意が逸れている場合の各脳部位の状態と結合状態を推定した結果、注意が逸れている場合に特に結合が高くなる部位があり、それがADHD傾向と逆相関することが明らかになった。また、個体間については、初対面と知り合い同士で協調動作中の2つの脳の連携をグラフ理論の指標で比較したところ、初対面のほうがより連携することが判明した。 2)マウスによる神経基盤の解明 研究分担者のUusisaari氏とともに、マウスを対象に、自由に行動できる環境において、モーションキャプチャーを利用し、社会性を示す細かなしぐさや姿勢、注意の方向などを定量化するシステムを構築した。マウスの幸福度を変化させ、姿勢の変化で幸福度を検出できるかどうかの検証を開始した。 3)精神疾患・神経疾患への応用可能性の検討 光刺激や経頭蓋静磁場刺激などの比較的新しく、また相対的に安価な装置について、精神疾患・神経疾患への応用可能性について研究分担者の熊野氏・吉田氏と検討した。スピーチ課題実施前に、経頭蓋静磁場刺激による介入を実施した結果、社交不安傾向の高い人において、自己注目に関連する主観評価が改善する傾向が観察された。また、その時に脳血流が低下することも示された。自己注目は社交不安の重要な要因であり、臨床応用への可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID19の影響は概ね解消され、人を対象とした実験・マウスの実験双方を進めることが可能となった。繰越により2023年度に引き続き研究を実施し、また一部実験内容を修正することにより概ね順調に進みつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)ヒト脳内・脳間ネットワークへの介入手法の開発と検証 脳内・脳間いずれにおいても、これまでの計測実験による結果をベースとし、刺激による介入実験を進める。脳内ネットワークについては、論文投稿を目指す。 2)マウスによる神経基盤の解明 マウスの幸福度を変化させ、その指標となる動作を同定し、検証する。学会発表を目指す。 3)精神疾患・神経疾患への応用可能性の検討 社交不安については、前頭極だけでなく、側頭頭頂接合部も関連していると言われているので、スピーチ課題中の側頭頭頂接合部の活動を計測し、社交不安において過活動がみられるかどうか確認する。また、経皮的耳介迷走神経刺激による介入と学習の関連についてデータを取得したので、解析し、学会発表を目指す。
|