2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H04428
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大槻 知忠 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (50223871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 哲也 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00710790)
佐伯 修 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (30201510)
茂手木 公彦 日本大学, 文理学部, 教授 (40219978)
藤原 耕二 京都大学, 理学研究科, 教授 (60229078)
小島 定吉 早稲田大学, 理工学術院, 教授(任期付) (90117705)
谷山 公規 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10247207)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 結び目 / 3次元多様体 / 不変量 |
Outline of Annual Research Achievements |
結び目の体積予想と3次元多様体の体積予想は、量子トポロジーと双曲幾何をむすびつける懸案の重要な予想である。体積予想の発展として、その漸近展開の高次の項に現われる不変量は、3次元双曲多様体の 3d-index という不変量や、Chern-Simons摂動理論の非自明平坦接続からの寄与の不変量と、関連することが期待される。従来の量子トポロジーでは、Chern-Simons摂動理論の自明接続からの寄与の不変量が研究されてきて、そこには多くの不変量と豊かな構造があった。Chern-Simons摂動理論の非自明平坦接続からの寄与の不変量にも、そのような豊かな構造をもった量子トポロジーを構築することをめざす。これと関連する3次元双曲多様体の 3d-index について筆者は調べており、双曲結び目の補空間のn次巡回被覆空間の 3d-index の係数の値は、十分大きいnに対して、nの多項式関数になることが観察し、これについて論文を執筆中である。また、量子不変量に関する著書を執筆中である。 また、国際会議「East Asian Conference on Geometric Topology」と、研究集会「トポロジーシンポジウム」「Intelligence of Low-dimensional Topology」「結び目の数理」を開催した。これらの国際会議と研究集会では、国内外の研究者による活発な研究交流が行われ、十分な成果を挙げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の大槻は、研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」を、2021年5月に、京都大学数理解析研究所において、オンライン開催した。研究代表者の大槻がその組織委員の一員である国際会議「East Asian Conference on Geometric Topology」について、2022年1月に韓国でオンライン開催された。「トポロジーシンポジウム」について、2021年8月に、広島大学において、オンライン開催された。研究分担者の谷山公規氏は、研究集会「結び目の数理」を、2021年12月に、早稲田大学において、ハイブリッド型で開催した。研究協力者の中江康晴氏は、研究集会「東北結び目セミナー」を、2021年10月に、秋田大学において、オンライン開催した。 研究代表者の大槻は、研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」を、2022年5月に、京都大学数理解析研究所において、ハイブリッド型で開催した。また、研究代表者の大槻を主催者の一員とする国際会議「East Asian Conference on Geometric Topology」が2023年2月に中国においてオンライン開催された。 筆者は、双曲結び目の補空間のn次巡回被覆空間の 3d-index の係数の値は、十分大きいnに対して、nの多項式関数になることが観察し、これについて論文を執筆中である。また、筆者は、量子不変量について著書を執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
結び目のKashaev不変量の体積予想と、3次元双曲多様体の量子不変量の体積予想について、研究をすすめる。この予想の数理物理的背景は、SL(2,C) Chern-Simons 理論であり、数理物理的には、量子不変量を与える経路積分に対して、SL(2,C)接続の空間の中で、形式的に鞍点法を適用することにより、体積予想が導出される。体積予想の漸近展開の高次の項の不変量と関連するとおもわれる、3d-index について研究をすすめ、論文の執筆をすすめる。量子不変量に関する著書の執筆もすすめる。 また、国際会議「East Asian Conference on Geometric Topology」を2023年度に、京都大学数理解析研究所において開催する。また、2023年度に、研究集会「Intelligence of Low-dimensional Topology」「結び目の数理」「トポロジーシンポジウム」「トポロジー新人セミナー」「Topology and geometry of low-dimensional manifolds」「トポロジーとコンピュータ」「東北結び目セミナー」を開催する。
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Research Products
(17 results)