2021 Fiscal Year Annual Research Report
高強度テラヘルツ・中赤外パルスによる強相関系の超高速電子状態制御と量子相転移
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21H04438
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 博 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40201991)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2022-03-31
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Keywords | 光誘起相転移 / テラヘルツパルス / 中赤外パルス / 強相関系 |
Outline of Annual Research Achievements |
テラヘルツパルス光源の高強度化については、チタンサファイア再生増幅器の出力パルス(パルス時間幅約100フェムト秒)をオプティカルパラメトリックアンプを使って波長変換し、波長1.5ミクロンのパルスを発生させ、そのパルスを有機非線形光学結晶であるDSTMSに集光することによって、テラヘルツパルスを発生させた。このテラヘルツパルスの発生および集光光学系を最適化することにより、乾燥空気中で3.5 MV/cmの電場振幅のテラヘルツパルスの発生に成功した。さらに、ダイヤモンドの光学窓つきのクライオスタット中では、2 MV/cmの電場振幅のテラヘルツパルスでの励起が可能となった。このテラヘルツパルスをポンプ光に、中赤外パルスをプローブ光にした反射型ポンプ-プローブ分光測定系を構築した。測定系にはクライオスタットが組み込まれており、10 Kまでの低温での時間分解分光測定が可能となっている。この光学系を用いて、電荷秩序相にあるペロブスカイト型マンガン酸化物 Gd0.55Sr0.45MnO3を、低温(10 K)にて約2 MV/cmの電場振幅のテラヘルツパルスで励起し、その際の中赤外域の反射率変化を測定したところ、低エネルギーに向かって単調に増加する反射率変化が観測された。反射率変化の電場依存性を解析することによって、この信号が、電場で誘起される量子トンネル過程によるキャリア(電子正孔対)生成によるものであることが明らかとなった。今後、電場をさらに増強することによって、電荷秩序絶縁体-金属転移の実現を目指す計画である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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