2022 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on quasiparticles in quantum materials by next-generation neutron spectrometer
Project/Area Number |
21H04441
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
益田 隆嗣 東京大学, 物性研究所, 准教授 (90313014)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 中性子散乱 / 準粒子 / 中性子分光器 |
Outline of Annual Research Achievements |
物性物理学の大きな目標の一つは、物質のありのままの姿を原子レベルのミクロな眼で見ることである。静的な構造については、電子顕微鏡やコヒーレントX線回折の進歩により、ナノスケールの実空間観測が現実のものとなってきた一方で、動的な構造についてはまだ課題が多い。そこで本研究課題では、先進的な中性子分光器を製作し、量子物質の準粒子構造を広い波数空間において探査することにより、物質の動的構造の実空間観測に近づくことを目的としている。昨年度の計画は、研究用原子炉JRR-3のC1-1ビーム孔に設置されたInverse Rowland Image Spectrometer (IRIS)型分光器HODACAのコミッショニングを行い、性能確認を行うことであった。これにあたり、まず測定制御ソフトの開発を行った。従来型分光器ソフトを拡張することにより、円滑な測定を可能とするソフトが完成した。次に標準試料を用いた性能試験を行い、完成したHODACA分光器がおおむね設計どおりの性能を示すことを確認した。さらにフラストレート磁性体CsFeCl3の磁気励起のテスト測定を行ったところ、先行研究を再現するデータが測定された。これにより、当該分光器が期待通り非常に高い測定効率を持つことが確認された。解析ソフトは、CsFeCl3のテスト測定と並行して暫定版が開発された。世界で最初のIRIS型分光器HODACAが建設されほぼ予定通りの性能を発揮したことは高く評価されるべきであり、今後、HODACAを用いて多くの物質の測定が行われ、磁性・強相関電子系分野の進歩に貢献することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究用原子炉JRR-3のC1-1ビーム孔に設置されたHODACA分光器のコミッショニングが計画通りに行われ、想定された性能の確認がなされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
中性子光路に中性子吸収体を設置することにより、バックグラウンドを低減し、高いS/N比を実現する。解析ソフトの改良を行い、ユーザーフレンドリーなものとする。その上で、フラストレート磁性体の準粒子観測を行い、磁性・強相関電子系分野の進歩に貢献する。
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Remarks |
研究業績を含め、研究室紹介がなされているウェブページである。
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[Journal Article] Damped Dirac magnon in the metallic kagome antiferromagnet FeSn2022
Author(s)
Seung-Hwan Do, Koji Kaneko, Ryoichi Kajimoto, Kazuya Kamazawa, Matthew B. Stone, Jiao Y. Y. Lin, Shinichi Itoh, Takatsugu Masuda, German D. Samolyuk, Elbio Dagotto, William R. Meier, Brian C. Sales, Hu Miao, and Andrew D. Christianson
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Journal Title
Phys. Rev. B
Volume: 105
Pages: L180403 -1 -8
DOI
Peer Reviewed
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