2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H04445
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 俊 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (10403130)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊輝 大阪大学, 量子情報・量子生命研究センター, 助教(常勤) (60834091)
生田 力三 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 講師 (90626475)
|
Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
|
Keywords | 量子通信 / 量子光学 / 量子情報 / 量子コンピュータ / 量子インターネット / 量子暗号 / 量子エレクトロニクス / 量子計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、様々な物理系で実現される物質量子系を光でつなぐ「量子インターネット」の中核となる「損失耐性のある量子測定」の基礎研究を行う。空間的に局在したスタティックな量子系である原子やイオン等の量子状態を伝搬する光を介して遠隔地に運び、別の量子系との間にエンタングルメントを形成する量子インターネット研究において、今後重要な課題となるのが、量子状態を運ぶ光の損失の指数関数的増大の抑制である。これには、多重化された光の量子状態に対する効率的な量子測定が必須であり、光ファイバー通信波長帯で動作する必要がある。特に核となる量子測定を通信波長帯で実現することを目指している。 そのための要素技術として、必要なリソースとなる通信波長帯のGHZ状態等の多光子エンタングルメント状態の生成に向けた研究を行う。まずは、1560 nmの短パルスレーザーの2倍波(780 nm)を励起光源としたパラメトリック変換を用いた高効率な通信波長帯の2光子エンタングル状態光源を開発する。これを、光増幅器(EDFA)により増幅し、非線形結晶である導波路型PPLNの第2高調波発生により780nmの挟線幅レーザー(100 mW程度)を作製する。これを励起光として、導波路型PPLNによるパラメトリック下方変換を行うことで光子対光源を作成する。本年度はタンデム型導波路型PPLNを作成することで、サニャック干渉計のような複雑な光学系を用いないシングルパスの偏光エンタングルメント光子対発生を実現した。光子対の波長は非縮退(1541 nmと1580 nm)であり、通信波長帯となっている。また、多光子エンタングルメント状態の生成を目指して、2台の光源を実現した。さらに、周波数多重化された偏光エンタングルメント光子対発生の実現に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、本研究計画通りに通信波長帯の偏光エンタングルメント光子対光源を実現しており、次年度に向けて、複数台の光源準備にもたどり着けた。これに加えて、周波数多重化偏光エンタングルメント光子対光源に成功し、さらに、それを用いた量子計算プロトコルを新たに発見し、Physical review letters誌に論文がアクセプトされるなど、期待以上の成果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで、当初予定していた研究計画通りに計画が進んでおり、通信波長帯の偏光エンタングルメント光子対光源により、多光子エンタングルメントを実現し、通信波長帯における「損失耐性のある量子測定」の要素技術の実現にこぎつける。
|
Research Products
(13 results)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] タンデム型type-II 疑似位相整合PPLN 導波路による非縮退光子対生成2022
Author(s)
林祥吾, 村上翔一, 小林俊輝, 知名史博, 三木茂人, 寺井弘高, 小玉剛史, 澤谷恒明, 大友昭彦, 下井英樹, 生田力三, 山本俊
Organizer
第83回応用物理学会秋季学術講演会
-
-
-
-
-
-
-