2023 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of turbulence driven transport using an advanced laser diagnostics in the reactor relevant plasma
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21H04458
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
田中 謙治 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (50260047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瓜谷 章 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10213521)
中西 秀哉 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (10280596)
糟谷 直宏 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (20390635)
吉田 麻衣子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂研究所 先進プラズマ研究部, グループリーダー (20391261)
沼波 政倫 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (40397203)
仲田 資季 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (40709440)
笹尾 一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂研究所 先進プラズマ研究部, 主幹技術員 (80897067)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 磁場閉じ込めプラズマ / プラズマ / レーザー / 位相コントラストイメージング / 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
JT-60SAはR3年に発生したコイルのトラブルにより実験が遅れており、申請時にはR6年度に計測システムを設置する予定であったが、現在のところ最も早い予定でR7年度末に計測システムを設置できる予定である。ただし、他の機器の設置予定との調整があり、さらに設置が遅れる可能性がある。本研究はR7年度までであるが本研究期間内に計測システムの準備を完了し、その後、装置の設置、実験データの取得を目指す。 液体窒素による検出器の自動冷却装置のテストを進め、テスト用に2台の検出器で連続冷却運転の試験を行った。その結果、連続3カ月間問題なく、検出器の冷却運転を行うことができた。 検出器シールドは過去のLHDにおけるシールドの設計を参考にし、液体窒素製造装置と検出器用のシールドの設計を行い、中性子減衰用に厚さ15cmのボロン添加ポリエチレンでこれらの機器を覆い、その内側にガンマ線減衰用に1cmの鉛シールドを設置することにした。液体窒素製造装置のシールドボックスを製作し、ポリエチレンシールドを設置した。シールドの設計についてはプラズマ核融合学会で報告した。 JT-60SA本体室内におけるレーザー光路および、検出器、液体窒素製造装置の設置位置をCAD図面上で設計するとともに、JT-60SA本体室内において周辺機器との干渉を考慮したうえで設置できることを確認した。 JT-60SAにおける物理実験計画立案の基礎資料として核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)において、高エネルギーイオンと位相コントラスト法で取得した乱流揺動の相互作用についての解析を進め論文化した。また、スイス連邦工科大学のTCVトカマクで取得した軽水素と重水素の閉じ込めの輸送解析を進め、乱流シミュレーションによる検証を行った。この結果は、国際核融合エネルギー会議で報告するとともに、現在投稿論文の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R5年度はJT-60SAにおける計測システムの組み上げを行い、波長1.55micronのYAGレーザーを用いた位相コントラストイメージングの信号強度の予測を立てることを予定していた。しかし、YAGレーザーはR3年度にLHDで行った実験により十分な信号強度が得られないことが明らかになったため、十分に信号強度が得られるLHDと同様の波長10.6micronのCO2レーザーを用いることにした。よって、当初必要と考えていた信号強度の予測は十分であることが分かった。しかしながら、海外研究協力者のStefano Coda博士の解析によりJT-60SAプラズマの磁気軸内側と外側で同じ磁気面位置の信号が重なって検出される領域があることが明らかになった(Coda, Tanaka et al, Nuclear Fusion 61 (2021) 106022)。この領域では乱流揺動の不安定性が大きく異なる磁気軸内側と外側の乱流の区別を、計画していたシステムでは行うことができないことが明らかになった。そこで、2次元の検出器1台(6x8=48ch)と1次元の検出器2台(32ch)を組み合わせて、光学系の結像位置をプラズマ中で異なる位置に設定し、焦点深度を利用して視線上で複数の検出器を用いることにより磁気軸内側と外側の乱流を区別することにした。その結果、ビーム制御用の検出器1台を含めて4台の検出器が必要となった。計測用の検出器はLHDで使用したものを流用するため、追加予算は必要ないが、検出器が当初予定していた1台から4台に増えたため、シールドボックスが予定の4倍近い大きさとなった。また、CO2レーザーを使うことにより検出器の液体窒素冷却が必要であり、液体窒素製造供給装置も必要となり、そのためのシールドボックスも必要となった。その結果、当初予定していたR5年度中の検出システムの完成は遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度には液体窒素製造装置、検出器のシールド等検出システムを完成し、JT-60SAで予定している4台の検出器の連続冷却運転に着手する。液体窒素製造装置および検出器はシールドが必要であるものの、検出器の調整や、液体窒素の配管、信号ケーブルの設置などアクセスしやすい構造も必要であり、これらは、まずシールドボックスを開口なしの状態で製作した後で、アクセスしやすい位置に開口を設置していく。1年遅れとなるがR6年度中に検出システムの完成を目指す。 磁気軸の内側と外側の同じ磁気面位置での乱流を区別するために複数の検出器で焦点深度の違いから視線方向の空間分解を得る手法を、波動光学を用いて数値的に検討する。これらの結果は、ベンチトップのテスト光学系で音波または超音波を用いた実験で手法の有効性を確認することを目指す。 実際の乱流がどのように計測できるかは、ジャイロ運動論シミュレーションの結果を数値的に計測する乱流計測シミュレーション、または、単純にモデル化した単一フーリエモードの積分効果を計算することにより予測される信号を定量的に評価することを目指す。 中性子ガンマ線シールドについては海外研究協力者のStefano Coda博士のグループとの共同研究によりJT-60SAにおける中性子、ガンマ線の照射量をモンテカルロシミュレーションにより計算することを目指す。現在、LHDにおけるシールド設計を参考にしているがこれについては論文投稿することを目指す。 JT-60SAにおける実験計画策定のため、引き続きLHDで位相コントラストイメージングを用いた実験データを取得し解析を進める。また、マックスプランクプラズマ物理研究所のW7-X装置においても位相コントラストイメージングを用いた実験データを取得し、JT-60SAの実験計画策定のための知見とする。
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