2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigating the first star formation and reionization process of the Universe by MWA
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21H04467
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉山 直 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (70222057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市來 淨與 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (10534480)
大内 正己 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40595716)
高橋 慶太郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (80547547)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 宇宙再電離 / 宇宙磁場 / 初代天体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画はオーストラリアの低周波電波干渉計実験であるMWAに参加し、世界初の宇宙再電離期からの中性水素21cm線シグナル検出を目指すものである。特にすばるHSCのライマンアルファ輝線銀河(LAE)のデータを用いた相互相関、および明るい背景天体からの吸収線を用いる21cm forestを用いて系統誤差や前景放射の影響を軽減し、検出を目指すことに特徴がある。 今年度はすばるHSCの広領域深撮像データに基づき、LAEの大規模サンプルの作成を行った(Ono et al. 2021)。このカタログは将来21cm線との相互相関解析に用いられる重要なものである。これと並行して、宇宙再電離の信号を探すためのintensity mapping解析を行い、宇宙再電離期の銀河間空間に広がる3σ程度の有意性の淡いライマンアルファ光を捉え、中性水素が銀河周辺に存在し共鳴散乱を起こしている可能性などが示唆された(Kakuma et al. 2021)。 また関連する研究として、再電離期からの背景天体を利用した将来の21cm forest観測を想定し、ダークマターの性質に対する制限の改善がどれ程期待できるか解析を行った。Axion-like partileが暗黒物質であるシナリオ、および始原ブラックホールが暗黒物質であるモデルを解析し、通常の銀河サーベイでは感度のない質量域まで探索可能であることを示した(P. Villanueva-Domingo and Ichiki, PASJ, 2022) 。 他にも広い意味で電波天文学および宇宙論に関する研究を実施し、合計6件の学術論文の出版に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研費による貢献により、オーストラリアで実施されているMWAプロジェクトへの参加が引き続き認められた。最新のMWAデータを用いた解析や、低周波電波と相互相関を取るためのライマンアルファ輝線銀河分布のデータ整備についても論文を出版するなど着実に進められていて、概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き低周波電波データの系統誤差の削減とノイズ・前景放射除去アルゴリズムの開発を行い、世界初の宇宙再電離期からの中性水素21cmシグナルの検出を目指す。
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Research Products
(15 results)