2022 Fiscal Year Annual Research Report
Investigating the first star formation and reionization process of the Universe by MWA
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21H04467
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉山 直 名古屋大学, 理学研究科, 総長 (70222057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市來 淨與 名古屋大学, 素粒子宇宙起源研究所, 准教授 (10534480)
大内 正己 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40595716)
高橋 慶太郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (80547547)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Keywords | 宇宙再電離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画はオーストラリアの低周波電波干渉計実験であるMWAに参加し、世界初の宇宙再電離期からの中性水素21cm線シグナル検出を目指すものである。。特にすばるHSCのLAEを用いた相互相関、および明るい背景天体からの吸収線(21cm forest)を用いて前景放射の影響を軽減し、検出を目指すことに特徴がある。今年度の研究実績概要は以下の通りである。 すばるHSCで探るLyα輝線銀河:すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラHSC1で広領域深撮像観測が完了し、Lyα輝線銀河(LAE)2 のサンプルを再構築した。宇宙再電離源としてLAEの星間物質から放出される高エネルギー光子(Lyman continuum photon)の量を推定し、その影響は無視できるほど小さいことを示した(Umeda et al. 2022)。宇宙再電離直前のLAEの探索も行ない、その数密度や光度関数を求めた(Harikane et al. 2023)。 低周波電波観測で探る中性水素:MWAで宇宙再電離期の中性水素の21cm線の観測を行なった。人工電波の除去のために、時系列データの非ガウス性を利用するアルゴリズムを開発した。Parkesで大マゼラン雲のパルサーと高速電波バーストの探査を行ない、偏波解析の効率的なアルゴリズムを開発した(Hisano et al., ApJ, 2022; Cooray et al., PASJ, 2023)。 CMBと21cm forestで探る宇宙再電離:CMBを用いて宇宙再電離の様子を将来的にどこまで明らかにできるかについて、主成分分析の方法で検討した(Sakamoto et al., ApJ, 2022)。21cm forest観測を想定してCDMサブストラクチャーの影響を見積もり、シグナルが1割ほど大きくなることを見出した(Kadota et al., JCAP, 2023)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研費による貢献により、オーストラリアで実施されているMWAプロジェクトへの参加が引き続き認められた。最新のMWAデータを用いた解析や、前景放射や人工電波除去アルゴリズム開発、低周波電波と相互相関を取るためのライマンアルファ輝線銀河分布のデータ整備についても論文を出版するなど着実に進められていて、概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き低周波電波データの系統誤差の削減とノイズ・前景放射除去アルゴリズムの開発を行い、世界初の宇宙再電離期からの中性水素21cmシグナルの検出を目 指す。
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Research Products
(10 results)