2021 Fiscal Year Annual Research Report
多段シフターによる時間分解原子核乾板検出器の実現と宇宙ガンマ線観測への展開
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21H04472
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高橋 覚 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特命助教 (40402432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 茂樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (80211689)
中野 敏行 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50345849)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | ガンマ線天文学 / マルチメッセンジャー天文学 / 原子核乾板 / 多段シフター / タイムスタンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
「大面積」「長時間」「高時間分解能」「低エネルギー閾値」実現の鍵を握るローラー駆動型多段シフターを新たに考案し、開発をおこなってきた。これまでにフライトモデル初号機や搭載する大判エマルションフィルムパックを開発し、ダミーエマルションフィルムパックを搭載したメカニカルな動作試験をおこなってきた。ここから小判エマルションフィルムを部分的に搭載した動作試験をおこなった。また初号機開発の経験・実績を反映させ、計4号機まで構築し、合計開口面積として5平米を実現した。また、2号機以降の立ち上げやメカニカルな動作試験を順次進めた。その中で2号機以降における不具合をあぶりだし、様々な試行錯誤によって原因を突き止め、有効な改善策を見出した。また多段シフターに搭載するエマルションフィルムの長期特性試験や潜像退行試験をおこなった。またエマルションフィルム実験前処理(リフレッシュ、調湿、真空パック)環境の立ち上げ・試験をおこなった。また姿勢監視スターカメラについて、より低温に強く・高感度・低消費電力を実現する新スターカメラシステムを構築した。星空撮影による感度実証や長時間動作試験による常温常圧下での動作を実証した。そして気球実験環境を模擬した環境試験で動作実証を達成した。またより確実な動作やシンプルな構成で拡張性を持たせた気球実験システム(テレメトリ関連、コマンド・GPS-PPS関連、ハウスキーピング関連、電源回路関連等)の刷新を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発については概ね予定通り進行している。また開発における難所をいくつも突破した。コロナウィルス感染症の影響により気球実験は延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
ローラー駆動型多段シフターについて、気球実験環境を模擬した環境試験をおこなう。またフライトモデル2~4号機の不具合改善を図り、それぞれについても環境試験をおこなう。姿勢監視スターカメラについてはフライトモデルを計6台構築する。また電源周りも含め気球実験全系を構築し、総合的な環境試験をおこなう。全系のゴンドラへの実装をおこない、荷造りして現地へ発送する。もう一方で多段シフターに搭載するエマルションフィルムを製造する。性能評価やリアルスケールでの長期特性試験・潜像退行試験をおこない、本番エマルションフィルムの実験前処理(リフレッシュ・調湿・真空パック)を施し、専用梱包を開発して発送する。そして豪州アリススプリングス現地入りし、最終準備をおこなう。
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Research Products
(27 results)