2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of 8-band observation method for CMB and its foreground radiation toward determination of absolute Neutrino mass
Project/Area Number |
21H04485
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大谷 知行 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (50281663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 惇也 京都大学, 理学研究科, 助教 (90795014)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Keywords | 宇宙マイクロ波背景放射 / 偏光観測 / 超伝導検出器 / MKID |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に問題が発生したチラーの液漏れトラブルについて、問題箇所の検査を行った結果、チラーのジョイント部に負荷が掛かっていたことが疑われたため、別部品を追加して負荷を軽減するとともに、チラー内部のホースのジョイントも改めてケアし、問題を解決した。また、この望遠鏡停止期間を活用して、望遠鏡本体を架台からおろして望遠鏡内部のアップグレードを行った。具体的には、焦点面にSRON製のフルアレイ(110 GHz: 23素子×6ユニット=138素子、220 GHz: 23素子×1ユニット)を2023年5月にインストールした。これらの素子は、2準位(TLS, Two-Level System)雑音の混入を最小限に抑え、感度を最大化するように設計・最適化した。これに合わせて読み出し系も増強し、性能試験を行った。いくつかの素子で不具合は見られたものの、80%以上のピクセルが動作していることが確認された。これを受けて、望遠鏡を毎分20回転の高速で回転させながらの科学観測を開始し、月、及び、木星を用いた撮像状況の確認やデータ解析法の改良も進めた。望遠鏡の制御には開発してきた遠隔観測システムを用いており、日本からでも遠隔で行うことが可能となっている。また、取得データを格納するためのサーバを現地(IAC)に新たに導入して、連続観測実験の環境を整えた。一方、望遠鏡に搭載した冷凍機ヘッドにHeガスを供給するロータリージョイントに不具合が生じたため交換作業を進めており、これが終わり次第、観測実験を再開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度のチラートラブルに加えて望遠鏡のロータリージョイントのトラブルが発生して観測実験のスケジュールが遅れたものの、フルユニットの焦点面へのインストールと必要な読み出しシステムの増強、さらに、データストレージのインストールなど、本観測のための準備はほぼ整ってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、昨年度に問題が発生したチラーの液漏れトラブルについて問題を解決するとともに、望遠鏡停止期間を活用して、焦点面にSRON製のフルユニットをインストールした。これに合わせて読み出し系も増強し、性能試験を行い、月、及び、木星を用いた撮像試験をすでに取得済みである。また、取得データを格納するためのサーバを現地(IAC)に新たに導入しており、また、雑音低減のための解析方法の検討やデータ較正についても知見が積み上げられてきている。これらのことから、繰越を行った令和6年度に観測データの蓄積と解析を実行できる見込みである。
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[Presentation] CMB偏光観測実験GroundBIRD:天体を用いた超伝導検出器MKIDの性能評価2024
Author(s)
田中智永, 池満拓司, 石田秀郷, 石塚光, 内田智久, 大谷知行, 小栗秀悟, 唐津謙一, 木内健司, 沓間弘樹, 小峯順太, 鈴木惇也, 末野慶徳, 関本裕太郎, 田島治, 辻井未来, 富田望,永井誠,長崎岳人,羽澄昌史, 服部誠, 本多俊介, 美馬覚, J. Choi, R. T. Genova-Santos, Y. Jo, K, Lee, Mi. Peel, R. Rebolo, J. A. Rubino-Martin, E. Wonほか
Organizer
日本天文学会、2024年春季年会
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[Presentation] CMB 望遠鏡GroundBIRDのサイエンス観測に向けた全検出器インストール作業及び搭載された検出器の応答性能評価2023
Author(s)
末野慶徳, 池満拓司, 石田秀郷, 石塚光, 内田智久, 大谷知行, 小栗秀悟, 唐津謙一, 木内健司, 沓間弘樹, 小峯順太, 鈴木惇也, 関本裕太郎, 田島治, 辻井未来, 富田望,永井誠,長崎岳人,羽澄昌史, 服部誠, 本多俊介, 美馬覚, J. Choi, R. T. Genova-Santos, Y. Jo, K, Lee, Mi. Peel, R. Rebolo, J. A. Rubino-Martin, E. Wonほか
Organizer
日本天文学会 2023年秋季年会
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[Presentation] CMB望遠鏡GroundBIRD - フルアレイでの初期評価結果と現状について2023
Author(s)
末野慶徳, 池満拓司, 石田秀郷, 石塚光, 内田智久, 大谷知行, 小栗秀悟, 唐津謙一, 木内健司, 沓間弘樹, 小峯順太, 鈴木惇也, 関本裕太郎, 田島治, 辻井未来, 富田望,永井誠,長崎岳人,羽澄昌史, 服部誠, 本多俊介, 美馬覚, J. Choi, R. T. Genova-Santos, Y. Jo, K, Lee, Mi. Peel, R. Rebolo, J. A. Rubino-Martin, E. Wonほか
Organizer
2023 日本物理学会,第78回年次大会
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[Presentation] Development of MKIDs for CMB polarization observation experiment GroundBIRD2023
Author(s)
T. Tanaka, M. Hattori, K. Karatsu, J.J.A. Baselmans, S. Honda, H. Kutsuma, Y. Sueno, R. T. Genova-Santos, M. Peel, R. Rebolo, J. A. Rubino-Martin, J. Choi, H. Jeong, Y. Jo, K. Lee, E. Won, J. Suzuki, O. Tajima, S. Mima, C. Otani, M. Tsujiiほか
Organizer
20th International Symposium on Low Temperature Detectors
Int'l Joint Research
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